ブリマサとはブリとヒラマサの交雑種|味・見分け方・買える場所まで丸わかり

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「ブリマサってどんな魚?ブリとは違うの?」と気になって検索した方、正解です。ブリマサとは、ブリとヒラマサを掛け合わせた交雑種で、正式には「ブリヒラ」と呼ばれるハイブリッド魚です。近畿大学が世界で初めて作出に成功し、ブリの脂のりの良さとヒラマサのコリコリした食感を兼ね備えた”いいとこ取り”の魚として注目を集めています。

この記事では、ブリマサとは何かという基本情報から、親魚であるブリ・ヒラマサとの見分け方、味の違い、どこで買えるのか、おすすめの食べ方まで丸ごと解説します。読み終わるころには、スーパーや回転寿司で「ブリヒラ」の表示を見つけたら迷わず手が伸びるようになるはずです。

📌 この記事でわかること

・ブリマサ(ブリヒラ)とはどんな魚か、誕生の経緯と特徴
・ブリ・ヒラマサ・ブリマサの見分け方と味の違い
・ブリマサが買えるスーパー・回転寿司・通販の入手ルート
・刺身・しゃぶしゃぶ・照り焼きなどおすすめの食べ方

目次

ブリマサとはブリとヒラマサを掛け合わせたハイブリッド魚

ブリマサとはブリとヒラマサを掛け合わせたハイブリッド魚の解説画像

ブリマサの正体は「ブリヒラ」|ブリの卵×ヒラマサの精子で生まれた交雑種

ブリマサとは、ブリ(Seriola quinqueradiata)の卵にヒラマサ(Seriola aureovittata)の精子をかけて作られた交雑種です。正式な名称は「ブリヒラ」で、近畿大学水産研究所が世界で初めて作出に成功しました。釣り人やネットの間では「ブリマサ」という呼び名も広まっていますが、流通や学術の場では「ブリヒラ」が使われます。

ブリもヒラマサもスズキ目アジ科ブリ属に分類される近縁種で、同じ属に属するからこそ交雑が可能です。天然の海でもブリとヒラマサが共存する海域では、ごくまれに自然交雑個体が見つかることがありますが、数は少なく、市場に出回るブリマサ(ブリヒラ)はほぼすべて養殖個体です。

なぜ「ブリ×ヒラマサ」なのか|それぞれの弱点を補い合う組み合わせ

ブリの長所は、冬場の脂のりの良さと濃厚な旨みです。100gあたりの脂質は約17gと青魚のなかでもトップクラス。一方で身が柔らかく、夏場は血合いが変色しやすいという弱点があります。ヒラマサの長所は、コリコリとした弾力のある食感と身の変色の遅さです。ただし脂質は100gあたり約4.9gとブリの3分の1以下で、味わいが淡白になりがちです。

つまり、ブリの「脂のり・旨み」とヒラマサの「食感・変色しにくさ」を1匹に集約すれば、弱点を補い合った理想的な魚ができる——これがブリマサ(ブリヒラ)の開発コンセプトです。実際に、ブリヒラはブリほど身が崩れず、ヒラマサほど淡白でもない「ちょうど良い」仕上がりになっています。

天然のブリマサは存在する?|釣り人が出会う激レアな自然交雑個体

ブリとヒラマサが同じ海域に生息する九州沿岸や四国沖では、ごくまれに天然の交雑個体が釣り上げられることがあります。釣り人のあいだでは「ブリでもヒラマサでもない顔つきの魚が釣れた」という報告がSNSなどで話題になることがありますが、天然のブリマサに遭遇する確率はきわめて低いです。

天然個体は体型や顔つきがブリとヒラマサの中間的な特徴を持つため、釣り上げたときに判断が難しいのも特徴です。「ブリにしてはスリムだけどヒラマサにしては丸い」と感じたら、交雑個体の可能性があります。ただし見た目だけでの確定は難しく、DNA解析をしないと正確な判定はできません。

🐟 ブリマサ(ブリヒラ)スペックカード
分類スズキ目アジ科ブリ属(ブリ×ヒラマサの交雑種)
正式名称ブリヒラ(近畿大学が命名)
完全養殖のため通年出荷可能
味の特徴ブリの脂のり・旨み+ヒラマサのコリコリ食感・変色しにくさ
おすすめ調理法刺身・しゃぶしゃぶ・照り焼き・カルパッチョ

ブリマサ誕生の背景|近畿大学が実現した「おいしいとこ取り」養殖技術

近畿大学水産研究所が世界初の作出に成功した経緯

ブリヒラを生み出したのは、近大マグロで知られる近畿大学水産研究所です。同研究所はクロマグロの完全養殖を世界で初めて達成したことで有名ですが、ブリ属の交雑種についても長年研究を重ねてきました。ブリの卵にヒラマサの精子を受精させる手法で交雑に成功し、「近大ブリヒラ®」としてブランド化しています。

交雑種の研究が進んだ背景には、天然ブリの漁獲量が安定しないという課題がありました。養殖ブリは安定供給できるものの、夏場の品質低下(血合いの変色・身の柔らかさ)が避けられません。ヒラマサの長所を取り入れることで、季節を問わず高品質な魚を提供できる養殖品種を目指したのです。

2021年の産業化成功|ブリ類交雑種で世界初の商業流通

ブリヒラが一般消費者の手に届くようになったのは、2018年に北関東を中心に展開する食品スーパー「ベイシア」で試験販売が始まったのがきっかけです。その後、2021年6月に本格販売がスタートし、世界で初めてブリ類の交雑種で産業化に成功しました。

同年2021年11月には、大手回転寿司チェーン「くら寿司」が大手回転寿司として初めてブリヒラの限定販売を実施。「近大生まれのハイブリッド魚」として話題になり、養殖水産物の新しい可能性を示しました。現在では「アセロラブリヒラ」などニチレイフーズのアセロラ餌の技術を組み合わせた派生商品も登場しています。

養殖だからこそのメリット|通年出荷と安定した品質

ブリマサ(ブリヒラ)が養殖魚であることは、消費者にとって大きなメリットがあります。天然のブリは冬が旬で、夏場は品質が落ちます。ヒラマサは夏が旬ですが流通量が少なく価格も高めです。ブリヒラは完全養殖のため、季節に関係なく一年中安定した品質で出荷できます。

また、養殖環境で育てられるため寄生虫リスクの管理がしやすく、餌の配合によって脂のりや身質をコントロールできるのも利点です。ただし注意点として、養殖魚であっても生食する場合は鮮度管理が大切です。購入後は速やかに冷蔵し、消費期限内に食べきるようにしましょう。

⚠️ 養殖魚でも鮮度管理は大切

ブリヒラは養殖環境で寄生虫リスクが低減されていますが、生食する場合は購入後すぐに冷蔵保存し、できるだけ早く食べきるのが基本です。常温で長時間放置するとヒスタミンが生成されるリスクがあるため、持ち帰りの際も保冷バッグの使用をおすすめします。

ブリ・ヒラマサの見分け方|3つのチェックポイント

ブリマサとブリ・ヒラマサの見分け方|3つのチェックポイントの解説画像

チェック①胸ビレと黄色い縦帯の位置関係で判別する

ブリ属の魚には体側に黄色い縦帯(イエローライン)が走っていますが、この帯と胸ビレの位置関係が見分けの決め手になります。ブリの場合、胸ビレと黄色い縦帯の間に隙間が空いています。一方ヒラマサは、胸ビレに黄色い縦帯が重なるように走っています。

ブリマサ(ブリヒラ)はこの中間的な特徴を示すことが多く、胸ビレと縦帯がわずかに重なる、あるいはほぼ接するような位置関係になります。スーパーの切り身では確認しにくいポイントですが、丸魚や頭付きの状態で並んでいれば、まず胸ビレ周りをチェックしてみてください。

チェック②上顎の後端の形が角張っているか丸いか

口元の形も見分けの重要な手がかりです。ブリの上顎(上アゴ)の後端は角張った形をしています。ヒラマサの上顎後端は丸みを帯びていて、ブリと並べると明らかに違います。これは鮮魚コーナーで頭付きの魚を見るときに使えるテクニックです。

ブリマサはやはり中間的で、ブリほど角張らず、ヒラマサほど丸くもない微妙な形状をしています。ただし個体差もあるため、上顎の形だけで確定するのは難しいです。胸ビレの位置関係と合わせて総合的に判断するのがおすすめです。

チェック③体型のシルエット|丸いブリ・スリムなヒラマサ・その中間

全体的な体型も重要な判別ポイントです。ブリは丸みを帯びたずんぐりしたフォルムで、体高があります。ヒラマサはスリムで引き締まった体型をしており、「平政(ヒラマサ)」の名前の通り、体が平たく見えるのが特徴です。

ブリマサはブリほど太くなく、ヒラマサほど細長くもない「中間的なシルエット」をしています。釣りで掛かった場合、引きの強さもブリとヒラマサの中間的と言われ、ヒラマサほど横に走らず、ブリほど下に突っ込まないという声もあります。

比較項目 ブリ ヒラマサ ブリマサ(ブリヒラ)
胸ビレと縦帯 隙間がある 重なる わずかに重なる〜接する
上顎後端 角張っている 丸い 中間的
体型 丸みがありずんぐり スリムで引き締まっている 中間的なバランス
出世魚 ○(ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ) × ×

味と食感|ブリの旨みとヒラマサの歯ごたえが同居する理由

脂のりはブリ寄り?ヒラマサ寄り?|中間の脂質量がもたらす上品な味わい

ブリマサ(ブリヒラ)の味を語るうえで最も気になるのが脂のりです。ブリは100gあたりの脂質が約17gと脂たっぷり。ヒラマサは約4.9gで淡白です。ブリヒラはこの中間に位置し、脂は十分にありながらもくどくない上品な味わいに仕上がっています。

「ブリの脂はちょっと重い」と感じる方や、「ヒラマサは淡白すぎて物足りない」と感じる方にとって、ブリマサはまさにちょうど良い塩梅の魚です。養殖環境で餌の配合を調整することで、脂のりをある程度コントロールできるのもブリヒラの強みです。

食感のカギは「変色しにくさ」にあった|身のハリが長持ちする秘密

ヒラマサから受け継いだ「身の変色の遅さ」は、単に見た目の問題ではありません。変色しにくいということは、身のタンパク質の酸化が遅いということ。つまり、切ってからも身のハリや弾力が長く保たれるのです。

ブリの刺身は切ってからしばらくすると血合い部分が茶色く変色し、身もやわやわになりがちです。ブリヒラは切ってからの「持ち」が良いため、スーパーのパック刺身でも鮮度感が維持されやすいという利点があります。これは小売店にとっても消費者にとっても嬉しい特性です。

実は「刺身」で最も真価が発揮される魚|熱を入れるとブリとの差が縮まる

ブリマサの味の魅力が最も際立つのは刺身です。ブリの旨みとヒラマサの歯ごたえが同時に楽しめる生食こそ、ブリヒラの最大の見せ場といえます。加熱するとタンパク質が変性し食感の差が縮まるため、焼き魚や煮付けにするとブリとの違いが分かりにくくなります。

とはいえ、加熱調理でも身の締まりはブリより残りやすく、照り焼きやしゃぶしゃぶにしたときに「身が崩れにくい」という利点はあります。初めてブリヒラを食べるなら、まずは刺身で試して、ブリとの味の違いを確かめてみてください。

Q. ブリマサ(ブリヒラ)はブリより美味しいの?
A. 「美味しさ」は好みの問題ですが、特徴が異なります。脂たっぷりの濃厚な味を求めるなら冬の天然ブリ、脂と食感のバランスを楽しみたいならブリヒラがおすすめです。ブリヒラは身の変色が遅く刺身の持ちが良い点で、実用面のメリットも大きい魚です。

旬と栄養|養殖なら一年中おいしい?親魚の数値と比較

ブリの旬は冬・ヒラマサの旬は夏|ブリマサは通年出荷が可能

ブリの旬は12月〜2月の冬場で、「寒ブリ」として知られるように冷たい海で脂をたっぷり蓄えた冬のブリは格別です。一方ヒラマサの旬は6月〜8月の夏場で、ブリとは真逆の季節です。

ブリマサ(ブリヒラ)は完全養殖のため、天然魚のような明確な旬はありません。養殖場の水温管理と餌の配合によって、一年を通じて安定した品質で出荷できるのがブリヒラの大きな強みです。ただし、養殖でも水温が変われば魚の状態は多少変わります。一般的には水温が下がる秋〜冬にかけて脂のりが増す傾向があります。

🗓 親魚(ブリ・ヒラマサ)の旬カレンダー
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

↑ブリの旬(冬が最旬)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

↑ヒラマサの旬(夏が最旬)/ブリヒラは養殖のため通年出荷可能

◎=最旬(もっとも美味しい時期) ○=美味しい △=出回るが旬ではない

栄養面で見るブリマサの立ち位置|ブリとヒラマサの中間的な栄養バランス

ブリマサ(ブリヒラ)の栄養成分は公式に公表された数値がまだ限られていますが、親魚の栄養を比較することで目安が見えてきます。ブリは100gあたりエネルギー約257kcal・タンパク質約21g・脂質約17gと、高タンパク・高脂質です。ヒラマサは100gあたりエネルギー約142kcal・タンパク質約23g・脂質約4.9gで、低脂質・高タンパクの傾向です。

ブリヒラはこの中間的な値になると推測され、ブリほど脂質は多くないもののヒラマサよりは脂のりがある——つまり「ほどよくヘルシーで旨みも十分」な栄養バランスが期待できます。DHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸もブリ属共通で豊富に含まれています。

養殖ブリヒラの餌が栄養と味を左右する|アセロラ配合餌の登場

養殖魚の味や栄養は、与える餌によって大きく変わります。ブリヒラでは、ニチレイフーズのアセロラ餌の技術を組み合わせた「アセロラブリヒラ」が開発されています。アセロラに含まれるビタミンCの抗酸化作用によって、身の変色をさらに抑え、鮮度感を長く維持する狙いがあります。

養殖の餌にこだわることで、同じブリヒラでも脂のりや身の色味が異なる個体を作り分けることが可能です。今後はブランドごとに「さっぱり系」「脂のり重視系」などのバリエーションが出てくる可能性もあります。養殖技術の進歩によって、魚の味は「天然か養殖か」だけでは語れない時代に入っています。

どこで買える?スーパー・回転寿司・通販の入手ルート

スーパーで見つけるなら「ブリヒラ」の表示をチェック

ブリマサ(ブリヒラ)をスーパーで探す場合、商品ラベルには「ブリヒラ」または「近大ブリヒラ」と表示されています。「ブリマサ」という名前では販売されていないため、注意が必要です。鮮魚コーナーでブリやヒラマサの隣に並んでいることが多いですが、取り扱い店舗は限られています。

2018年に試験販売を開始した「ベイシア」をはじめ、徐々に取り扱い店舗は増えています。ただし、全国どこでも手に入るという段階にはまだ至っていません。鮮魚コーナーで「ブリヒラ」の文字を見つけたら、それはブリとヒラマサのハイブリッド魚——ぜひ試してみてください。

回転寿司チェーンでの限定販売|くら寿司の取り組み

くら寿司は2021年11月に大手回転寿司チェーンとして初めてブリヒラの限定販売を実施しました。近畿大学との連携により、持続可能な養殖業の取り組みとしても注目されています。ただし限定販売のため、常時メニューに載っているわけではありません。

限定販売の時期はくら寿司の公式サイトやSNSで告知されるため、気になる方はチェックしておくと見逃しません。限定販売時には「近大生まれ」「ハイブリッド魚」などのキャッチコピーが使われることが多いので、店頭のポップを見て「これがブリマサか」と気づけるはずです。

通販・産直サイトでお取り寄せする方法

近くのスーパーに取り扱いがない場合は、産直通販サイトを利用する方法があります。「ポケットマルシェ」などの産地直送プラットフォームで「ブリヒラ」を検索すると、養殖業者から直接購入できることがあります。

産直通販のメリットは、養殖場から直送されるため鮮度が高く、スーパーでは手に入りにくい丸魚や大きなブロックで購入できる点です。注意点としては、送料がかかること、届く日が限定されること、時期によっては在庫がないことが挙げられます。初めて注文する場合は、まず刺身用のサク(柵)がセットになった商品を選ぶと失敗が少ないです。

📌 ブリヒラを探すときのキーワード

スーパーや通販で探す場合、「ブリマサ」ではなく「ブリヒラ」で検索するのがコツです。正式な流通名が「ブリヒラ」であるため、「ブリマサ」では検索にヒットしない場合があります。「近大ブリヒラ」「アセロラブリヒラ」などのブランド名でも見つかります。

おすすめの食べ方|刺身・しゃぶしゃぶ・照り焼きの3パターン

食べ方①刺身|ブリマサの真価はやっぱり生で味わうのが一番

ブリマサ(ブリヒラ)を初めて食べるなら、迷わず刺身をおすすめします。ブリの旨みとヒラマサのコリコリした歯ごたえが同時に味わえるのは、加熱しない刺身ならではの体験です。薄造りにすると食感がより際立ち、厚めに切ると脂の旨みをしっかり感じられます。

わさび醤油が定番ですが、塩とすだちで食べるのも相性が良いです。脂がほどよいためポン酢にも合い、カルパッチョ風にオリーブオイルと塩で仕上げるのも向いています。ブリほど脂が強くないぶん、柑橘系の酸味との相性が抜群です。

食べ方②しゃぶしゃぶ|10秒でさっと湯通しすると食感が変わる

ブリしゃぶの要領で、ブリヒラのしゃぶしゃぶもおすすめです。薄くスライスした身を昆布だしに10秒ほどくぐらせると、表面がうっすら白くなり、中はまだレアの状態。この半生の食感がブリヒラのしゃぶしゃぶの醍醐味です。

ブリのしゃぶしゃぶは身が柔らかいためしゃぶしゃぶ中に崩れることがありますが、ブリヒラはヒラマサ譲りの身の締まりがあるため、箸で持ち上げても崩れにくいのが利点です。ポン酢やごまだれで食べるのが定番ですが、柚子胡椒を添えるとピリッとした辛味がアクセントになります。

食べ方③照り焼き|身が崩れにくいから仕上がりがきれい

照り焼きはブリの定番料理ですが、ブリヒラで作ると仕上がりに差が出ます。ブリは加熱すると身が柔らかくなりすぎて、ひっくり返すときに崩れやすいのが悩みどころ。ブリヒラは身の締まりがしっかりしているため、焼いても形が崩れにくく、見た目がきれいに仕上がります。

作り方はブリの照り焼きと同じです。切り身に軽く塩を振って10分ほど置き、水気を拭いてからフライパンで両面を焼き、醤油・みりん・酒・砂糖を合わせたタレを絡めます。注意点として、ブリより脂が少ないぶん焼きすぎるとパサつきやすいので、中火で焼き時間を短めにするのがコツです。

食べ方のNG|ブリマサで避けたい調理法と失敗パターン

ブリマサ(ブリヒラ)で避けたいのは、長時間の煮込み料理です。ブリ大根のように長く煮ると、ヒラマサ譲りの食感が失われ、ブリとの味の違いがほぼわからなくなります。せっかくの「いいとこ取り」が活きないため、もったいないです。

もう一つのよくある失敗は、冷凍・解凍を繰り返すことです。ブリヒラの魅力であるコリコリ食感は、細胞が壊れると失われます。冷凍する場合は1回の解凍で食べきる量に小分けして、流水解凍でなるべく短時間に戻すのがポイントです。ドリップ(解凍時に出る水分)をしっかり拭き取ることで、生臭さを防げます。

⚠️ ブリヒラの解凍で失敗しないコツ

冷凍ブリヒラを解凍するときは、ビニール袋に入れたまま流水に当てて短時間で戻すのがベストです。電子レンジの解凍モードは加熱ムラが出やすく、一部が煮えてしまうことがあるため避けましょう。解凍後はキッチンペーパーでドリップをしっかり拭き取ってから調理に使うと、臭みが出にくくなります。

ブリ御三家の関係|カンパチも含めた「ブリ属」の全体像

ブリ御三家とは|ブリ・ヒラマサ・カンパチの3種を整理する

「ブリ御三家」とは、ブリ・ヒラマサ・カンパチの3種を指す呼び名です。いずれもスズキ目アジ科ブリ属に分類され、見た目も似ていますが、旬や味わいはそれぞれ異なります。ブリは冬が旬で脂が濃厚、ヒラマサは夏が旬で歯ごたえが魅力、カンパチは夏〜秋が旬で上品な甘みがあるのが特徴です。

ブリマサ(ブリヒラ)はこのブリ御三家のうちブリとヒラマサを親に持つ交雑種であり、いわば「御三家のハイブリッド」です。カンパチとブリの交雑種やカンパチとヒラマサの交雑種は、現時点では産業化されていません。ブリヒラが成功した背景には、ブリとヒラマサの弱点が見事に補い合う関係にあったことが大きいのです。

意外と知られていないヒラマサの実力|「青物の王様」と呼ばれる理由

ブリマサの片親であるヒラマサは、釣り人のあいだで「青物の王様」と呼ばれる魚です。ブリよりも引きが強く、スピード感のあるファイトが楽しめるため、ルアーフィッシングの人気ターゲットとして知られています。体長は最大2.5mに達し、ブリの最大体長1m前後を大きく上回ります。

味の面でも、ヒラマサは寿司屋で高級ネタとして扱われることが多い魚です。脂は控えめですが、その分身の旨みが際立ち、噛むほどに味が出る「通好みの味」と評されます。ブリは「庶民の魚」としてスーパーで手軽に買えますが、ヒラマサは流通量が少なく、天然ものは高値がつきます。ブリヒラはその「高嶺の花」であるヒラマサの食感を、手の届きやすい養殖価格で体験できる魚でもあるのです。

ブリ属の見分けで一番間違えやすいポイント|ブリとカンパチの混同に注意

ブリ属の見分けで最も間違えやすいのは、実はブリとヒラマサではなく「ブリとカンパチ」の混同です。カンパチには体側に斜めの褐色帯があり、頭を正面から見ると「八」の字に見える模様が特徴ですが、切り身の状態ではこの模様が確認できません。

スーパーで切り身を選ぶとき、ブリ・ヒラマサ・カンパチ・ブリヒラを見分けるのは正直かなり難しいです。確実なのはラベルの表示を確認すること。JAS法に基づき、魚種名の正確な表示が義務づけられています。ブリヒラの場合は「ぶりひら」「ブリヒラ」と表示されるため、ラベルを見れば間違えることはありません。

さかなのさ調べ ブリ ヒラマサ カンパチ ブリヒラ(ブリマサ)
12〜2月(冬) 6〜8月(夏) 7〜10月(夏〜秋) 通年(養殖)
脂質(100gあたり目安) 約17g 約4.9g 約4.2g 中間程度
タンパク質(100gあたり目安) 約21g 約23g 約21g 中間程度
味わいの特徴 脂が濃厚で旨み強い 淡白でコリコリ食感 上品な甘みと適度な脂 脂と食感のバランス型
出世魚 × × ×
最大体長 約1m 約2.5m 約1.9m 養殖出荷サイズで管理

まとめ|ブリマサとはブリとヒラマサの長所を合わせた次世代の養殖魚

ブリマサ(ブリヒラ)は、ブリの脂のりの良さとヒラマサのコリコリした食感を1匹に集約した、近畿大学発のハイブリッド魚です。「ブリとヒラマサのいいとこ取り」という言葉がそのまま当てはまる、養殖技術の進歩が生んだ新しい魚の形といえます。完全養殖のため季節を問わず安定した品質で流通し、天然魚の漁獲量に左右されない持続可能な水産資源としても注目されています。

この記事のポイントをまとめます。

  • ブリマサとは、ブリの卵とヒラマサの精子から生まれた交雑種。正式名称は「ブリヒラ」
  • 近畿大学水産研究所が世界初の作出に成功し、2021年に本格的な商業流通がスタート
  • ブリの脂のり(脂質100gあたり約17g)とヒラマサの弾力ある食感・変色しにくさを兼ね備える
  • 見分け方は「胸ビレと黄色い縦帯の位置」「上顎後端の形」「体型のシルエット」の3点
  • 刺身で食べると脂と食感のバランスが最も楽しめる。しゃぶしゃぶや照り焼きも身崩れしにくい
  • スーパーでは「ブリヒラ」の表示で販売。くら寿司の限定販売や産直通販でも入手可能
  • 養殖のため通年出荷可能。天然魚のような旬はないが、秋〜冬にかけて脂のりが増す傾向がある

ブリヒラはまだ全国のスーパーにくまなく並んでいるわけではありませんが、取り扱い店舗は着実に増えています。鮮魚コーナーで「ブリヒラ」の表示を見かけたら、まずは刺身で一切れ試してみてください。ブリとも、ヒラマサとも違う「第三の味わい」に出会えるはずです。

※最新の取り扱い店舗情報や販売時期は、各小売店の公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

魚の食べ方・さばき方・種類の違いから雑学まで、魚にまつわるすべての疑問に答える図鑑メディアです。スーパーの鮮魚コーナーで「この魚どうやって食べるの?」と迷ったとき、釣った魚を持ち帰って「さばき方がわからない」と困ったとき、お役に立てれば幸いです。運営は株式会社てまひま(名古屋市)。

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