「塩サンマを買ってきたけど、しょっぱすぎて食べられない…」そんな経験はありませんか? 塩サンマは保存性を高めるために塩を効かせてあるので、そのまま焼くと塩辛さが気になることがあります。でも、正しい塩抜きの方法を知っていれば、ちょうどいい塩加減に調整できます。ポイントは「真水ではなく塩水を使う」こと。迎え塩(むかえじお)と呼ばれるこの方法なら、うま味を逃さずに余分な塩分だけを抜くことができます。この記事では、迎え塩の具体的なやり方から、塩水の濃度・浸ける時間・塩抜き後のおいしい食べ方まで、塩サンマをおいしく食べるための情報をまるごとお伝えします。
・塩サンマの塩抜きに「迎え塩(塩水)」を使う理由と具体的な手順
・塩水の濃度(1〜1.5%)と浸ける時間の目安(30分〜5時間)
・真水で塩抜きすると味が落ちる科学的な仕組み
・塩抜き後においしく焼くコツとアレンジレシピ
塩サンマの塩抜きには「迎え塩」を使うのが正解

迎え塩とは塩水で塩分を抜くプロの技
迎え塩(むかえじお)とは、薄い塩水に食材を浸けて塩分を抜く方法のことです。「呼び塩(よびじお)」とも呼ばれ、料理の世界では昔から使われてきた定番の技術です。やり方はシンプルで、水に少量の塩を溶かし、そこに塩サンマを浸けるだけ。塩で塩を抜くというと不思議に聞こえますが、これは浸透圧の原理を利用しています。塩サンマの身に含まれる塩分濃度(甘塩で約3%、辛塩で約10%)と、浸ける塩水の濃度(1〜1.5%)の差が適度なため、余分な塩分だけがゆっくり水に移動します。真水を使うと塩分と一緒にうま味成分まで一気に流れ出してしまいますが、迎え塩なら「おいしさを残したまま、塩辛さだけ和らげる」ことができるわけです。
真水ではなく塩水を使う科学的な理由
真水と塩水の違いを一言で言うと、「抜けるスピードのコントロール」です。真水に浸けた場合、サンマの身と水の塩分濃度差が大きすぎるため、浸透圧によって塩化ナトリウムやうま味成分(アミノ酸・イノシン酸など)が一気に外へ出ていきます。その結果、表面は水っぽいのに中心部はまだ塩辛いという「まだら抜け」が起こりやすくなります。一方、1〜1.5%の薄い塩水を使えば濃度差が小さくなるため、塩分がゆっくり均一に抜けていきます。うま味成分は塩分より分子が大きいため流出しにくく、結果として「塩気が穏やかで味はしっかり」という仕上がりになります。料理の基本として覚えておくと、塩鮭や数の子の塩抜きにも応用できます。
甘塩・辛塩で塩抜き時間はどう変わるか
スーパーで売られている塩サンマには、パッケージに「甘塩」と書かれているものと「辛塩」と書かれているものがあります。甘塩は塩分濃度が約3%前後で、そのまま焼いてもちょうどよい塩加減のことが多いです。辛塩は塩分濃度が約10%前後で、しっかり塩が効いているため、塩抜きをしないとかなりしょっぱく感じます。甘塩の場合は塩抜き不要、もしくは表面を水洗いする程度で十分です。辛塩の場合は迎え塩で4〜5時間ほど浸ける必要があります。パッケージに甘塩・辛塩の表示がない場合は、まず表面を少し舐めてみて塩加減を確認するか、30分ほど浸けてから味見して判断するのがおすすめです。
塩を抜きすぎると、サンマ本来の味まで薄くなってしまいます。迎え塩で浸けている途中で一度取り出し、身の端を少しちぎって味見してみてください。「ちょっと塩気があるかな」くらいで引き上げるのがコツです。焼くと水分が飛んで塩味が凝縮されるため、生の状態で「ちょうどいい」と感じる塩加減だと、焼き上がりが物足りなくなることがあります。
そもそも塩サンマはなぜしょっぱい?甘塩と辛塩の違いを知っておこう
塩サンマが作られる理由は「保存」と「うま味の凝縮」
サンマは鮮度が落ちるのが早い魚です。体長30〜35cmほどの細長い体に、100gあたり約24gもの脂質を含んでいるため、水揚げ後に常温で放置すると脂が酸化して傷みやすくなります。塩サンマは水揚げ直後に塩をまぶすことで、浸透圧により身の水分を抜き、細菌の繁殖を抑えて保存性を高めた加工品です。同時に、水分が抜けることでうま味が凝縮され、生サンマとはまた違った濃い味わいが楽しめます。塩サンマが「そのまま焼くだけでおかずになる」と言われるのは、塩が味付けと保存の両方を担っているからです。
パッケージの「甘塩」「辛塩」表示が意味すること
甘塩と辛塩は塩の使用量の違いを表しています。甘塩は塩分濃度が約3%前後で、身の表面にうっすら塩をまぶした状態。そのまま焼いても塩辛さを感じにくく、魚本来の味を楽しめます。辛塩は塩分濃度が約10%前後で、身にしっかり塩が染み込んでいます。長期保存を目的としたもので、北海道産の塩サンマに辛塩が多い傾向があります。辛塩は保存には向いていますが、そのまま焼くと「しょっぱくて食べられない」と感じる方が多いでしょう。塩抜きが必要になるのは主にこの辛塩タイプです。
| 比較項目 | 甘塩サンマ | 辛塩サンマ |
|---|---|---|
| 塩分濃度 | 約3%前後 | 約10%前後 |
| 味わい | 魚本来の味が生きた穏やかな塩味 | しっかり塩が効いた濃い味 |
| 塩抜きの必要性 | 不要〜水洗い程度 | 迎え塩で4〜5時間 |
| 保存性 | 冷蔵で2〜3日程度 | 冷蔵でやや長め |
| 向いている用途 | そのまま焼いて食べる | 塩抜きしてアレンジ調理 |
スーパーで選ぶときのチェックポイント3つ
塩サンマを選ぶときは、まず目の透明感を確認してください。目が白く濁っているものより、黒目がはっきりしていて澄んでいるものの方が鮮度がよい状態で塩漬けされた可能性が高いです。次に、身の張りを見ます。パックの上から軽く触れてみて、弾力があるものを選びましょう。身がやわらかくブヨブヨしているものは、保存中に劣化が進んでいる場合があります。最後にパッケージの表示を確認します。「甘塩」「辛塩」の記載があればそれを目安にし、記載がない場合は原材料の「食塩」の位置を見てください。原材料は使用量の多い順に記載されるため、食塩が最初に来ている場合は辛塩タイプの可能性があります。
迎え塩の具体的な手順|塩水の濃度・浸ける時間・容器の選び方

用意するものはボウル・水・塩の3つだけ
迎え塩に特別な道具は必要ありません。用意するのはボウル(またはバット)、水、塩の3つだけです。ボウルはサンマが丸ごと入る大きさのものを使ってください。サンマは体長30〜35cmあるので、長方形のバットの方が収まりやすいかもしれません。2〜3尾まとめて塩抜きする場合は、身が重ならないように広さに余裕のある容器を選びましょう。身が重なっていると、上のサンマと下のサンマで塩の抜け方にムラが出てしまいます。水は水道水でかまいません。塩は家庭にある食塩(精製塩でも粗塩でも)を使えば十分です。
塩水濃度1〜1.5%の作り方|計量スプーンだけで簡単
迎え塩に使う塩水の濃度は1〜1.5%が目安です。具体的な量で言うと、水600ml(3カップ)に対して塩小さじ1.5杯(約9g)を溶かせば、約1.5%の塩水になります。サンマ2〜3尾を浸ける場合は水1リットルに塩10〜15gで調整してください。塩はしっかり溶かし切ることが大切です。溶け残りがあると、その周辺だけ塩分濃度が高くなり、均一に塩が抜けません。水をぬるま湯(30℃程度)にすると塩が溶けやすくなりますが、溶かした後は必ず常温以下に冷ましてからサンマを入れてください。温かい水に長時間浸けると鮮度が落ちる原因になります。
浸ける時間の目安|30分・1時間・4時間で仕上がりがこう変わる
浸ける時間によって仕上がりの塩加減は大きく変わります。30分浸けた場合は表面の塩分が少し抜ける程度で、「やや塩味が和らいだかな」という印象です。甘塩タイプのサンマならこのくらいで十分でしょう。1時間浸けると中心部まで効果が届き始め、全体的に穏やかな塩加減になります。「ちょうどいい塩味で食べたい」という方に向いています。4〜5時間浸けると、辛塩タイプでもかなり塩分が抜け、ほぼ生サンマに近い状態に戻ります。ここまで抜くと焼くときに自分で塩を振って好みの加減に調整できるメリットがあります。ただし5時間を超えると味が抜けすぎる可能性があるため、長時間放置は避けてください。
酒を加えると臭みも一緒に抜ける
塩水に日本酒を大さじ1ほど加えると、塩抜きをしながら同時にサンマの生臭さも和らげることができます。酒に含まれるアルコールには魚の臭み成分(トリメチルアミン)を揮発させる効果があるため、塩抜き後のサンマがよりすっきりとした香りに仕上がります。みりんを使う方法もありますが、みりんは糖分を含んでいるため焼いたときに焦げやすくなる点に注意が必要です。酒であればその心配が少なく、仕上がりもふっくらします。料理酒でも日本酒でもかまいませんが、塩分が添加されている料理酒を使う場合は、塩水の塩を気持ち少なめ(小さじ1程度)にして調整すると安心です。
真水で塩抜きするとどうなる?味が落ちる理由を浸透圧から解説
真水だと表面だけ水っぽくなる「まだら抜け」が起きる
真水(塩分0%)にサンマを浸けると、身の塩分濃度との差が大きすぎるため、表面近くの塩分が急速に抜けます。ところが、身の中心部にある塩分は表面ほど早く移動できないため、「外側は水っぽいのに中はまだしょっぱい」というまだら状態になります。これが「まだら抜け」と呼ばれる現象です。焼いてみると、身の外側は味がぼやけているのに噛んでいくと塩辛い部分に当たるという、何とも残念な仕上がりになってしまいます。均一に塩を抜くには、濃度差を小さくしてゆっくり時間をかけるのが鉄則です。
浸透圧でうま味成分が流出するメカニズム
浸透圧とは、濃度の異なる液体が膜を挟んで接しているとき、濃度を均一にしようとして水分や溶質が移動する力のことです。サンマの身を膜と考えると、真水に浸けた場合、身の中の塩分・アミノ酸・イノシン酸といった成分がどんどん外に出ようとします。塩分(塩化ナトリウム)は分子が小さいため最初に流出しますが、うま味成分であるアミノ酸やイノシン酸も時間とともに抜けていきます。1〜1.5%の塩水を使えば、塩分の移動速度が穏やかになり、分子の大きなうま味成分は身にとどまりやすくなります。迎え塩が「味を残して塩だけ抜く」と言われるのは、この浸透圧の差をコントロールしているからです。
実は「薄い塩水」がちょうどいいバランスを生む理由
意外と知られていないことですが、迎え塩の効果は塩水の濃度が「身の塩分濃度より低いけれど、真水よりは高い」という絶妙なゾーンにあるからこそ発揮されます。たとえば辛塩サンマ(塩分約10%)を1.5%の塩水に浸けた場合、濃度差は約8.5%。真水なら10%の差になります。この1.5%の違いが、うま味の流出を防ぎつつ塩分だけを抜くバランスを生みます。料理研究の世界では「塩水で塩を抜くのは矛盾ではなく科学」と言われており、数の子や塩鮭の塩抜きでもまったく同じ原理が使われています。「塩には塩を」と覚えておくと、魚料理の幅がぐっと広がります。
やりがちな失敗|塩抜きで「おいしくなくなった」原因と対策
失敗①:真水に一晩浸けて味が全部抜けた
もっとも多い失敗が、真水に長時間浸けてしまうパターンです。「しっかり塩を抜きたいから一晩浸けておこう」と冷蔵庫に入れたまま朝を迎えると、塩分だけでなくうま味も脂の風味も抜け落ち、焼いても「ただの水っぽい魚」になってしまいます。原因は浸透圧の差が大きすぎることと、浸ける時間が長すぎることの二重ミスです。対策は、必ず1〜1.5%の塩水を使うこと、そして途中で味見をして好みの塩加減になったら引き上げることです。迎え塩なら5時間を超えても急激に味が抜けにくいですが、それでも一晩放置は避けた方が安全です。
失敗②:塩抜き後に水気を拭かずに焼いて身が崩れた
塩抜きしたサンマをそのままグリルに乗せると、表面に残った水分が焼き網にくっつき、ひっくり返すときに身がボロボロに崩れてしまうことがあります。塩抜き後のサンマは生サンマより身がやわらかくなっているため、水分が残っていると余計に崩れやすくなります。対策はシンプルで、塩水から引き上げたらキッチンペーパーで表面の水気をしっかり拭き取ることです。腹の中にも水分が残りやすいので、ペーパーを丸めて腹の中を軽く拭くとよいでしょう。水気を取った後、焼く前に10分ほど置いて表面を乾かすと、さらに皮がパリッと焼き上がります。
塩抜きしたサンマは、キッチンペーパーで表面・腹の中の水分をしっかり拭き取りましょう。焼く前に10分ほどバットに並べて表面を乾かすと、皮がパリッと仕上がり、焼き網にもくっつきにくくなります。このひと手間が、塩抜きサンマをおいしく食べるための分かれ道です。
失敗③:塩抜きの途中で味見をしなかった
「レシピに4時間と書いてあったから」と時間だけを頼りにしてしまうのも、失敗の原因になりがちです。塩サンマの塩分濃度は商品によって異なりますし、サンマのサイズ(体長30〜35cm、重さ150〜200g)によっても塩の抜けるスピードは変わります。小さめの個体は身が薄い分、塩が早く抜けますし、大きな個体は中心まで抜けるのに時間がかかります。対策は、浸け始めてから1時間おきに身の端を少しちぎって味見すること。「まだしょっぱい」ならそのまま浸け続け、「ちょっと塩気があるかな」くらいで引き上げましょう。焼くと水分が飛んで塩味が凝縮されるため、生の状態で「ちょうどいい」だと焼き上がりが薄味になることを覚えておいてください。
塩抜きしたサンマをおいしく焼くコツ|グリル・フライパン別
焼く前に水分をしっかり拭き取るのが鉄則
前の章でも触れましたが、塩抜き後の水切りは焼き上がりを大きく左右します。キッチンペーパーで表面を2〜3回拭き、腹の中の水分も取り除きましょう。拭き終わったら、バットに並べて10分ほど冷蔵庫で表面を乾かします。この「乾かし」の工程を入れると、焼いたときに皮がカリッと仕上がり、身も崩れにくくなります。急いでいるときはキッチンペーパーで包んで軽く押さえ、水分を吸い取ってからすぐに焼いてもかまいません。ただし、包んだまま放置すると今度はペーパーの繊維が皮に張り付くので、拭いたらすぐに剥がしてください。
グリルで焼くなら中火で片面6〜7分が目安
魚焼きグリルで焼く場合は、中火で片面6〜7分が目安です。強火だと表面だけ焦げて中が生焼けになるため、中火でじっくり火を通しましょう。焼き始める前にグリルの網に薄くサラダ油を塗っておくと、皮がくっつきにくくなります。両面焼きグリルなら12〜14分ほどで焼き上がります。片面焼きグリルの場合は、まず皮目を上にして7分焼き、ひっくり返して5〜6分焼きます。ひっくり返すときはフライ返しを使い、身の下にそっと差し入れてから返すと崩れにくいです。焼き上がりの目安は、身の表面に脂がジュワッと浮き上がり、皮にこんがりとした焼き色がついた状態です。
フライパンならクッキングシートで皮パリに仕上げる
魚焼きグリルがない場合や、後片付けを楽にしたい場合はフライパンが便利です。フライパンにクッキングシート(オーブンペーパー)を敷き、その上にサンマを乗せて焼きます。油を引く必要はなく、サンマ自身の脂で十分です。中火で片面5〜6分ずつ、合計10〜12分ほど焼きましょう。クッキングシートを使う最大のメリットは、皮が張り付かないこと。ひっくり返すのも簡単で、身が崩れるストレスがありません。焼き終わったらシートごと捨てられるので洗い物も減ります。注意点として、クッキングシートがフライパンからはみ出すとコンロの火で燃える危険があるので、フライパンの内側に収まるように敷いてください。
焼き加減の見極め方|脂が透明にジュワッと出たらOK
塩抜きしたサンマは塩分が少ない分、焼き色の付き方が通常の塩サンマより穏やかです。「いつもの塩サンマの色になるまで」と焼き続けると、火を通しすぎてパサつく原因になります。焼き上がりの判断基準は3つ。まず、身の表面に透明な脂がジュワッと浮いてくること。次に、箸で身の中央を軽く押したときに弾力があること。最後に、背骨に沿って身を少しめくったとき、骨の周りが透明からうっすら白に変わっていること。この3つが揃えば中まで火が通っています。中心温度75℃以上で1分以上の加熱が食品衛生上の目安ですので、不安な場合は料理用温度計で確認してください。
塩抜き後のアレンジレシピ3選|焼く以外の食べ方も試してみよう
南蛮漬けにすれば作り置きおかずとして3日楽しめる
塩抜きしたサンマを3枚におろして小麦粉を薄くまぶし、フライパンで両面をカリッと焼きます。熱いうちに南蛮酢(酢100ml・醤油大さじ2・砂糖大さじ2・だし汁50ml・赤唐辛子1本)に漬け込み、薄切りにした玉ねぎ・にんじん・ピーマンを上に乗せます。冷蔵庫で1時間以上冷やせば完成です。塩抜き済みのサンマを使うことで、南蛮酢の味がダイレクトに染み込み、しょっぱすぎない上品な味わいになります。密閉容器に入れて冷蔵保存すれば、3日ほどおいしく食べられます。翌日以降は味がさらに馴染んで、作りたてとはまた違ったまろやかさが楽しめます。
炊き込みご飯で丸ごとサンマの風味を味わう
塩抜きしたサンマをそのまま1尾、お米の上に乗せて炊く「サンマの炊き込みご飯」は、秋の定番メニューです。米2合を研いで炊飯器に入れ、醤油大さじ1.5・酒大さじ1・みりん大さじ1・生姜の千切り1かけ分を加え、通常の水加減にします。その上に塩抜き済みのサンマを丸ごと1尾乗せ、普通に炊飯します。炊き上がったらサンマを取り出し、骨を外して身をほぐし、ご飯に混ぜ込みます。塩抜きしてあるので塩辛さがなく、サンマのうま味と脂が米に染み込んだ上品な味わいに仕上がります。仕上げに小ねぎと白ごまを散らすと風味がさらにアップします。サンマの脂質は100gあたり約24gと青魚の中でも多めなので、ご飯にコクが出ます。
味噌煮にすればご飯がすすむおかずに変身する
塩抜きしたサンマを筒切り(4〜5cm幅)にし、生姜の薄切り1かけ分と一緒に鍋に入れます。水200ml・酒大さじ2・砂糖大さじ1.5を加えて中火にかけ、煮立ったらアクを取ります。弱火にして落とし蓋をし、10分ほど煮たら味噌大さじ2を溶き入れ、さらに5分煮詰めます。塩抜きしてあるため味噌の風味が前面に出て、ご飯との相性は抜群です。煮汁にとろみが出てきたら火を止め、器に盛り付けましょう。塩鯖の味噌煮と同じ要領ですが、サンマは身がやわらかいため煮崩れしやすい点に注意が必要です。あまり箸でいじらず、鍋を揺すって煮汁を全体にまわすようにすると、形をきれいに保てます。
塩サンマの保存方法と塩抜きのタイミング|いつ・どう保存するのが正解?
冷蔵保存なら購入後2〜3日が目安
塩サンマは生サンマより保存が利きますが、それでも冷蔵庫で2〜3日程度を目安に食べ切りたいところです。購入後はパックのまま冷蔵庫のチルド室(0〜2℃)に入れてください。チルド室がない場合は、冷蔵庫の中でもっとも温度が低い奥の方に置きましょう。パックの上に氷を入れた袋を乗せると温度をさらに下げられます。「甘塩」は辛塩に比べて塩分が少ない分、保存性も低めです。購入日を含めて2日以内に食べるのが理想です。パックを開封した場合は、ラップでぴっちり包み直してから保存してください。空気に触れると脂が酸化して嫌な臭いが出やすくなります。
冷凍保存は1か月を目安に使い切る
すぐに食べない場合は冷凍保存がおすすめです。塩サンマを1尾ずつラップでぴっちり包み、さらにジッパー付き保存袋に入れて空気を抜いてから冷凍庫に入れます。この二重包装が冷凍焼けを防ぐポイントです。保存の目安は約1か月程度ですが、家庭用の冷凍庫は温度変化が大きいため、2週間以内に食べた方が風味は保たれます。解凍するときは冷蔵庫に移して半日〜1日かけてゆっくり解凍してください。電子レンジの解凍機能を使うと身の一部に火が通ってしまい、食感が悪くなります。解凍後のドリップ(水分)はキッチンペーパーで拭き取ってから塩抜きや調理に移りましょう。
塩抜きしたサンマを再び冷凍するのは避けてください。塩抜きの過程で細胞内の水分バランスが変わっているため、再冷凍すると身がスカスカになり、解凍したときにドリップが大量に出ます。塩抜きは「食べる分だけ、調理する直前に」が鉄則です。
塩抜きは「調理する直前」がベストタイミング
塩抜きのタイミングは「調理する直前」がベストです。塩を抜いた状態で長時間置くと、保存性が落ちて鮮度が急速に下がります。塩サンマの「しょっぱさ」は保存性の裏返しなので、塩を抜いた瞬間からその保護がなくなると考えてください。朝の食事に使いたい場合は、前日の夜に塩水に浸けて冷蔵庫に入れ、翌朝引き上げて焼くという流れが効率的です。夕食に使う場合は、朝のうちに浸けておけば仕事から帰ったころにはちょうどよい塩加減になっています。いずれにしても、塩抜きしたサンマは当日中に調理して食べ切るようにしましょう。
まとめ|塩サンマの塩抜きは「塩水でゆっくり」が鉄則
塩サンマの塩抜きは、真水ではなく1〜1.5%の薄い塩水を使う「迎え塩」が正解です。浸透圧をコントロールすることで、余分な塩分だけを抜き、サンマのうま味はしっかり残すことができます。甘塩なら30分〜1時間、辛塩なら4〜5時間が浸ける時間の目安ですが、途中で味見をして自分好みの塩加減に調整するのがポイントです。
この記事のポイントをおさらいしましょう。
- 塩抜きには真水ではなく「迎え塩(1〜1.5%の塩水)」を使う
- 水600mlに塩小さじ1.5(約9g)で約1.5%の塩水が作れる
- 甘塩(塩分約3%)は30分〜1時間、辛塩(塩分約10%)は4〜5時間が浸ける目安
- 真水で浸けると表面は水っぽく中心は塩辛い「まだら抜け」が起きる
- 途中で味見をして「少し塩気がある」くらいで引き上げる(焼くと塩味が凝縮される)
- 塩抜き後はキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ってから焼く
- 塩抜きは「調理する直前」に行い、塩抜き後の再冷凍は避ける
まずは冷蔵庫にある塩サンマで試してみてください。ボウルに水と塩を入れてサンマを浸けるだけなので、特別な道具も技術も必要ありません。一度やってみれば、「こんなに簡単に塩加減を調整できるんだ」と実感できるはずです。迎え塩のコツをつかめば、塩鮭や数の子の塩抜きにもそのまま応用できます。塩サンマを自分好みの塩加減で楽しんでみてください。
※食品の保存期間は目安であり、保存状態や個体差によって異なります。異臭や変色がある場合は食べるのを避けてください。心配な場合は医療機関を受診してください。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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