いわしが青魚の代表格と呼ばれる理由|3種の見分け方とDHA870mgの栄養を徹底解説

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スーパーの鮮魚コーナーで「青魚」とひとくくりに並ぶ魚たち。その代表格としてまず名前が挙がるのが、いわしです。1尾100円前後で手に入る身近な魚なのに、なぜこれほど「体にいい青魚」と言われ続けるのか、気になったことはありませんか。

結論から言うと、いわしが青魚の代表格と呼ばれるのには、はっきりした理由があります。背中が青光りする見た目、表層を群れで回遊する生態、そしてDHA・EPAをたっぷり含む脂のり。この3つがそろっているからです。しかも「いわし」と一口に言っても、店頭に並ぶのは主にマイワシ・カタクチイワシ・ウルメイワシの3種類で、それぞれ味も旬も違います。

この記事では、そもそも青魚とは何かという定義から、いわし3種の見分け方、100gでDHA870mgという栄養の中身、旬の時期、スーパーでの選び方、さばき方、食べ方の使い分けまでを一気に解説します。読み終えるころには、鮮魚コーナーのいわしを見る目が変わっているはずです。

📌 この記事でわかること

・青魚の定義と、いわしが代表格に挙げられる3つの理由
・マイワシ・カタクチイワシ・ウルメイワシの見分け方と旬の違い
・100gあたりDHA870mg・EPA780mgという栄養の中身
・選び方・さばき方・食べ方の使い分けと、やりがちな失敗

目次

そもそも青魚とは何か|いわしが代表格に挙げられる理由

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「青魚」という言葉はよく聞くのに、いざ「どこからが青魚?」と聞かれると答えに詰まる人は多いはずです。まずはここをはっきりさせてから、いわしの話に入りましょう。

青魚は「背の青い魚」のゆるやかな総称だった

青魚とは、イワシ・アジ・サバなど、背中が青光りして見える魚のゆるやかな総称です。実はこれ、生物の分類学できっちり線引きされたグループではありません。イワシはニシン目ニシン科、アジやサバはスズキ目と、所属する仲間はバラバラ。それでも「背が青い」「身に赤みがある」「表層を群れで泳ぐ」といった見た目と肉質の共通点でまとめた、日本ならではの食文化上の呼び名なのです。だから図鑑をめくっても「青魚科」は出てきません。あくまで台所目線の分類だと知っておくと、店頭での会話がぐっとスムーズになります。同じ魚でも光の当たり方で青く見えたり見えなかったりするのは、この分類がそもそも見た目ベースだからです。

青魚全体の種類や白身魚との違いをもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

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いわしが「代表格」と呼ばれる3つの理由

数ある青魚のなかでも、いわしが筆頭に挙げられるのには理由があります。1つめは、背の青さと群れで回遊する生態という「青魚らしさ」を絵に描いたように備えていること。2つめは、漁獲量が多く価格が安定していて、誰の食卓にも届く身近さ。3つめは、DHA・EPAをはじめとする栄養が豊富で「体にいい魚」の象徴になっていることです。マグロやカツオも広い意味では青魚ですが、より小型で群れる、いわし・あじ・さばのほうが「青魚らしい」と感じられる傾向があります。つまり、いわしは青魚のイメージそのものを背負っている魚というわけです。漢字で「鰯(よわい)」と書くほど傷みやすい点まで含めて、青魚の特徴を凝縮しています。

赤身魚・白身魚との違いは「身の色素」にある

青魚の身がほんのり赤いのは、酸素を運ぶミオグロビンという色素タンパク質を多く含むからです。これは長距離を回遊する魚に共通する特徴で、持久力を支える筋肉の証でもあります。白身魚が瞬発力型で身が白いのとは対照的です。覚えておきたいのは、青魚は分類でいえば「赤身魚」の側に入ることが多いという点。スーパーで「白身・赤身・青魚」と3つに分けて並んでいても、生物学的には青魚と赤身魚はきれいに割り切れません。見た目の背の色で呼ぶか、身の色素で呼ぶかの違いだと理解しておくと混乱しません。いわしを切ったときに血合いが濃い赤になっているのも、このミオグロビンの量が多いからです。

📌 押さえておきたいポイント

青魚は「分類学のグループ」ではなく「背が青い魚のゆるやかな総称」。いわしはその青魚らしさ・身近さ・栄養の三拍子がそろうため、代表格として真っ先に名前が挙がります。

いわしは主に3種類|マイワシ・カタクチイワシ・ウルメイワシの見分け方

「いわし」と書かれて売られていても、実は中身は3種類のどれかです。それぞれ大きさも顔つきも違うので、見分けられると買い物がぐっと面白くなります。

マイワシは体側の黒い点が目印

もっとも一般的なのがマイワシです。体長は最大25cm前後で、いちばんの目印は体の側面に並ぶ黒い斑点。これが一列に並ぶ様子から「七つ星」とも呼ばれます。背は青緑色で腹は銀白色、体は左右に平たい紡錘形です。スーパーで「いわし」「真いわし」と表示されていればまずこれ。刺身・塩焼き・煮付け・つみれと、いわしのおいしい食べ方をひと通り楽しめるのはマイワシです。黒い点がはっきりしている個体ほど大ぶりで脂がのっていることが多いので、選ぶときの目安にもなります。点の数や濃さには個体差があり、まったく見えない個体もいるので「点がなければマイワシではない」と決めつけないのがコツです。

カタクチイワシは小さくて口が大きい

煮干しやしらす、アンチョビの原料として食卓を支えているのがカタクチイワシです。体長は15cmほどと3種でいちばん小ぶり。名前のとおり下あごが上あごより短く、口が大きく裂けて見えるのが最大の特徴です。背は黒っぽく、生のまま店頭に丸ごと並ぶことは多くありません。多くは加工品の姿でわたしたちの口に入ります。しらす干し、たたみいわし、煮干しのだし、アンチョビ——形を変えて毎日のように食べている、影の主役のような存在です。釜揚げしらすやちりめんじゃこは、このカタクチイワシの稚魚を加工したもの。小さいぶん丸ごと食べやすく、カルシウムを骨ごと摂れるのも魅力です。

ウルメイワシは目が大きく潤んで見える

3種でいちばん大きくなるのがウルメイワシで、40cmを超える個体もいます。名前の由来は、目が大きく、脂を含んだ膜で覆われて潤んで見えること。漢字でも「潤目鰯」と書きます。体は丸みのある円筒形で、マイワシより細長い印象です。鮮度が落ちやすいため刺身で出回ることは少なく、丸干しや目刺しといった干物で見かけることがほとんど。うま味が濃く、干すことで持ち味が一段と引き立つタイプです。生の流通が少ないぶん、産地以外では干物として出会うことが多い魚と覚えておくとよいでしょう。

3種を一覧で見比べる

言葉だけでは覚えにくいので、3種の違いを表にまとめました。サイズ・目印・旬・主な食べ方を横並びにすると、それぞれの個性がはっきり見えてきます。買い物のときにこの軸で見比べると、目の前のいわしがどの種類かを当てやすくなります。

比較項目 マイワシ カタクチイワシ ウルメイワシ
大きさ 最大25cm前後 15cmほど 40cm超も
目印 体側の黒い点 大きい口 潤んだ大きい目
初夏〜秋 9〜1月 10〜2月
主な食べ方 刺身・塩焼き・煮付け 煮干し・しらす・アンチョビ 丸干し・目刺し

※さかなのさ調べ(各種公開資料をもとに作成)

いわし3種それぞれの見分け方や味の違いをさらに深掘りした記事もあります。種類を見極めたい人はこちらが役立ちます。

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100gでDHA870mg|数字で見るいわしの栄養のすごさ

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「いわしは体にいい」とよく言われますが、具体的に何がどれだけ入っているのかを数字で見ると、その評判の理由がはっきりします。ここではマイワシ(生)の可食部100gあたりの数値で見ていきましょう。

DHA870mg・EPA780mgで青魚らしさを実感

いわしが青魚の代表格と呼ばれる栄養面の根拠が、このDHAとEPAです。マイワシ100gあたりにDHA約870mg、EPA約780mgが含まれ、合わせると1日に意識して摂りたい量をしっかりカバーできる水準です。どちらも青魚の脂に多い多価不飽和脂肪酸で、常温で固まりにくくサラサラしているのが特徴。だからいわしを冷蔵庫から出すと脂が白く固まらず、つやつやした見た目が保たれます。脂がのる旬の時期ほどこの数値は高くなる傾向があるので、栄養目的なら旬を狙うのが効率的です。加熱すると脂の一部が流れ出るため、煮汁ごと食べる調理や缶詰だと逃さず摂りやすくなります。

たんぱく質19.2g・カルシウム74mgも見逃せない

いわしの実力は脂だけではありません。マイワシ100gあたりたんぱく質19.2g、脂質9.2g、エネルギーは156kcal。良質なたんぱく質を低カロリーで摂れるバランスのよさが光ります。さらにカルシウムは74mgと、魚のなかでも多め。骨ごと食べられる小ぶりのいわしや、煮干し・しらすなら効率よくカルシウムを補えます。鉄も2.1mg含まれ、貧血が気になる人にもうれしい構成です。1尾あたりで考えると数十グラムですが、つみれや缶詰でまとめて食べれば、これらの栄養をしっかり積み上げられます。安くて栄養価が高い、まさに庶民の味方といえる中身です。

骨まで届くビタミンDとカリウム

意外と知られていないのが、いわしのビタミンDの多さです。マイワシ100gあたり32.0μgと、これは魚のなかでもトップクラス。ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあるため、カルシウムと一緒に摂れるいわしは効率がよい組み合わせです。さらにカリウムも270mg含まれ、体内のナトリウムバランスを整える方向に働きます。塩焼きで塩分が気になる人も、いわし自身が持つカリウムが一役買ってくれる格好です。こうして並べると、いわしが「栄養の優等生」と呼ばれる理由が数字で腑に落ちます。各成分の数値は文部科学省の食品成分データベースで公開されているので、気になる人は一次情報を確認してみてください。

▶ 文部科学省 食品成分データベース(まいわしの数値はこちら)

実は缶詰のほうがDHA・EPAが多いこともある

「栄養を摂るなら生がいちばん」と思いがちですが、いわしに関しては必ずしもそうとは限りません。水煮缶詰は、生のマイワシに比べてEPAが約1.3倍、DHAが約1.5倍に増えるというデータがあります。これは缶に詰めて加熱する過程で水分が抜け、成分が凝縮されるためです。しかも缶詰は骨までやわらかく煮えているので、カルシウムも丸ごと摂れます。生の鮮度管理が難しい家庭ほど、缶詰を常備しておくのは理にかなった選択です。生か加工かで栄養を決めつけず、目的に合わせて使い分けるのが賢いいわしの食べ方といえます。

いわしの旬は年に2回?季節で変わる脂のり

いわしの旬を「いつ?」と聞かれると、実は1つに絞れません。種類によって時期が違ううえ、同じマイワシでも年に複数回おいしくなるタイミングがあるからです。

マイワシは梅雨と秋の2つの旬がある

マイワシは初夏から秋にかけて脂がのり、特に梅雨どきに獲れるものは「入梅いわし」と呼ばれて珍重されます。産卵に向けて栄養を蓄える6〜7月ごろに脂がぐっとのり、ふっくらと濃厚な味わいになるのです。さらに秋口にも脂のった個体が出回り、季節をまたいでおいしさが続きます。つまりマイワシは、梅雨と秋という2つのピークを持つ魚。スーパーでぷっくり太った個体を見かけたら、それは旬のサインです。逆に真冬や春先は脂が抜けてあっさりしがちなので、こってり食べたいなら旬の時期を狙うと満足度が上がります。

カタクチ・ウルメは秋から冬が狙い目

同じいわしでも、カタクチイワシとウルメイワシは秋から冬が旬です。カタクチイワシは9月から1月ごろ、ウルメイワシは10月から2月ごろがおいしい時期。マイワシが梅雨に旬を迎えるのと、ちょうど入れ替わるような形になります。これは産卵期や脂を蓄えるタイミングが種類ごとに違うため。3種の旬を合わせると、いわしは一年を通してどれかが旬という、ありがたい青魚になります。煮干しやしらすが秋冬に出回りやすいのも、この旬と無関係ではありません。季節ごとに主役の種類が変わると考えると、覚えやすくなります。

旬カレンダーでひと目で確認

3種の旬を重ねると、一年のどこかで必ずいわしの旬に当たることがわかります。下のカレンダーはマイワシを中心に、店頭で脂ののった個体に出会いやすい時期を示したものです。買い物の計画を立てるときの目安にしてください。

🗓 いわし(マイワシ中心)の旬カレンダー
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

◎=最旬(もっとも脂がのる時期) ○=美味しい △=出回るが旬ではない ※カタクチ・ウルメは9〜2月が狙い目

スーパーでいい1尾を選ぶ見分け方

いわしは鮮度の落ちが早い魚です。だからこそ、店頭で新鮮な1尾を選ぶ目を持っているかどうかで、料理の仕上がりが大きく変わります。チェックすべきポイントを順に見ていきましょう。

目・エラ・体表の3点をチェック

新鮮ないわしを選ぶ基本は、目・エラ・体表の3点です。目は黒目がくっきりと澄んでいて、濁ったり赤くにじんだりしていないもの。エラはふたを少し開いて見て、鮮やかな赤色をしているものが新鮮です。体表は青みと銀色のつやがあり、うろこが残っているほどよい状態。時間がたつと目が白く濁り、エラは茶色く変色し、体表のつやが失われていきます。いわしは「鰯」の字が表すように傷みが早いので、買う直前のこの3点チェックを習慣にすると失敗が減ります。何尾か並んでいたら、いちばん目が澄んで体がピンと張った個体を選びましょう。

身の張りとお腹のかたさを触って確かめる

見た目に加えて、身の張りも大切な手がかりです。鮮度のよいいわしは身がしっかりして、持つと頭が下にだらりと垂れません。トレーの上からでも、ぷりっと張ってお腹がかたい個体を選びましょう。逆にお腹がやわらかくぶよぶよしているものは、内臓から傷みが進んでいるサイン。いわしは内臓に消化酵素を多く持つため、鮮度が落ちるとお腹から崩れていきます。お腹が破れて身がはみ出しているものは避けるのが無難です。脂ののった旬の個体はお腹がふっくらしつつも張りがあるので、「丸くてかたい」を目安にすると、おいしくて新鮮な1尾に出会えます。

用途で選ぶサイズの目安

どう料理するかで、選ぶサイズの目安も変わります。刺身やフライにするなら、身がたっぷり取れる大ぶりのマイワシが向いています。つみれや梅煮なら中くらいのサイズが扱いやすく、丸ごと揚げる南蛮漬けや煮干し風の調理には小ぶりのものが便利です。大きいいわしは脂がのって食べごたえがある一方、小さいものは骨ごと食べやすくカルシウムを摂りやすいという利点があります。献立を先に決めてからサイズを選ぶと、下処理もしやすく無駄が出ません。同じトレーでもサイズにばらつきがあることが多いので、用途に合った大きさをそろえて選ぶのがコツです。

📌 選び方の要点

①目が澄んでいる ②エラが鮮やかな赤 ③体表に青銀のつや ④お腹がかたく張っている——この4点がそろえば新鮮ないわしです。傷みが早い魚なので、買ったその日に調理するのが理想です。

鮮度が命|いわしのさばき方と下処理のコツ

いわしは包丁を使わず手だけでさばける「手開き」ができる、初心者にやさしい魚です。コツさえつかめば数十秒で1尾を開けるようになります。手順と注意点を見ていきましょう。

包丁なしでできる「手開き」の手順

いわしの下処理の主役は手開きです。骨がやわらかく、指でたどれば中骨に沿ってきれいに開けます。慣れると包丁を使うより速く、洗い物も減るのが魅力。梅煮やフライ、つみれなど、いわし料理の多くがこの手開きから始まります。下のステップどおりに進めれば、初めてでも形よく開けます。ポイントは焦らず、中骨を指の腹で感じながら少しずつ進めること。力任せに引っ張ると身が割れるので、あくまでやさしく扱うのがコツです。最初の1尾で感覚をつかめば、2尾目からは見違えるほどスムーズになります。

🔪 いわしの手開きの手順
Step1:うろこを指でこすり落とし、頭を斜めに折って取る
Step2:頭側からお腹を割き、内臓をかき出して流水で洗う
Step3:親指の腹を中骨に沿わせ、頭側から尾へ滑らせて身を開く
Step4:尾の付け根で中骨を折り、頭側へめくって骨を外す
完成! 腹骨をそぎ取れば、フライや梅煮に使える開き身のできあがり

失敗例:身がボロボロに崩れるのは爪の位置のせい

手開きでよくある失敗が、開いたときに身がボロボロに崩れてしまうことです。原因の多くは、中骨に当てる親指の位置がずれていること。爪を立てて身の真ん中を押すと、繊維が切れて崩れてしまいます。対策は、爪ではなく指の腹を使い、中骨のすぐ上を沿わせるように滑らせること。骨を「感じながら」進めると、身が骨からきれいにはがれます。もう1つの原因は鮮度の落ちた個体を使うこと。お腹がやわらかくなったいわしは身も崩れやすいので、手開きするなら新鮮なうちが鉄則です。崩れても梅煮やつみれにすれば問題なく使えるので、最初は気軽に練習してみてください。

下処理後はすぐ使うか冷凍する

さばいたいわしは、できるだけ早く使い切るのが基本です。いわしは内臓に消化酵素が多く、鮮度の低下が早い魚。下処理したら長時間放置せず、当日中に調理するのが安心です。すぐに使わない場合は、水気をしっかり拭き取ってから1尾ずつラップで包み、冷凍保存袋に入れて冷凍します。空気に触れると酸化が進んで風味が落ちるので、空気を抜いて密閉するのがコツ。家庭用冷凍庫で凍らせたものは、解凍後はしっかり加熱して食べるのが無難です。寄生虫が心配な場合の対策としても、長時間の冷凍は予防策の一つとされています。下処理から保存までを手早く済ませることが、いわしをおいしく安全に食べる近道です。

⚠️ 寄生虫・鮮度の注意

いわしを含む青魚にはアニサキスなどの寄生虫がいる場合があります。生食する際は新鮮なものを選んで内臓を早く取り除き、目視で確認するのが基本です。加熱や長時間の冷凍は一般的な予防策とされています。万が一体調に異変を感じた場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。

食べ方の使い分け|刺身・焼き・煮付け・缶詰

いわしは食べ方の幅が広い魚です。鮮度や種類、その日の気分に合わせて調理法を選べば、同じいわしでもまったく違う表情を見せてくれます。代表的な食べ方を使い分けの視点で見ていきましょう。

鮮度抜群なら刺身・なめろうで脂を味わう

とびきり新鮮なマイワシが手に入ったら、まずは刺身がおすすめです。脂がのったいわしの刺身は、とろりとした口当たりと濃厚なうま味が魅力。薬味には生姜やねぎ、みょうがを合わせると青魚特有の風味がやわらぎ、後味がすっきりします。たたいて味噌や薬味を混ぜ込んだ「なめろう」にすれば、さらに食べやすくご飯にもお酒にも合います。ただし刺身で食べられるのは鮮度がよいものに限られ、寄生虫のリスクもゼロではありません。生食は新鮮な個体を選び、心配なら加熱調理に切り替える判断も大切です。旬の脂を一番ダイレクトに楽しめるのが、この刺身・なめろうの食べ方です。

失敗例:刺身用を常温放置でうま味も安全も損なう

いわしの刺身でやりがちな失敗が、買ってきた魚を常温で長く置いてしまうことです。青魚は時間がたつと身のうま味成分が分解されて味が落ちるうえ、温度が上がるとヒスタミンという物質が生成されやすくなることが知られています。ヒスタミンは加熱しても分解されにくいため、いったん増えると取り除くのが難しいのが厄介な点です。対策はシンプルで、買ったらすぐ冷蔵庫に入れ、調理直前まで低温を保つこと。持ち帰りに時間がかかる日は保冷剤を使うと安心です。「鮮度がよければ大丈夫」と油断せず、温度管理を徹底するのが、いわしをおいしく安全に食べる前提になります。気になる症状が出た場合は医療機関に相談してください。

焼き・煮付け・缶詰でシーンに合わせて

毎日の食卓では、加熱調理が活躍します。塩焼きは皮目をパリッと焼き上げ、いわし本来の味をシンプルに楽しめる定番。梅干しと一緒に炊く梅煮は、青魚のクセを梅の酸味がやわらげ、骨までやわらかく食べられます。しょうが煮や蒲焼きはご飯が進む味付けで、お弁当にも便利です。時間がない日は缶詰が頼りになります。水煮缶はそのままサラダや汁物に、味付け缶はそのままおかずにと、調理いらずで栄養を摂れるのが強み。鮮度のよい日は刺身や塩焼き、忙しい日は缶詰、と暮らしのシーンで使い分ければ、いわしを無理なく食卓に取り入れられます。

Q. いわしは骨ごと食べても大丈夫?
A. 小ぶりのいわしや、圧力鍋・缶詰でやわらかく煮たものは骨ごと食べられます。骨にはカルシウムが多く、ビタミンDも一緒に摂れるいわしは骨ごと食べる相性が抜群です。大きい個体の中骨はかたいので、梅煮や缶詰のようにじっくり火を通すと安心して食べられます。

骨ごと食べるいわし加工品の代表「めざし」の栄養について詳しく知りたい人は、こちらの記事もどうぞ。

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まとめ|いわしは青魚の魅力が詰まった身近な優等生

いわしが青魚の代表格と呼ばれるのは、背の青さと群れで回遊する生態という青魚らしさ、誰の食卓にも届く身近さ、そしてDHA・EPAをはじめとする豊かな栄養がそろっているからでした。マイワシ・カタクチイワシ・ウルメイワシの3種はそれぞれ大きさも旬も食べ方も異なり、見分けられると買い物がぐっと楽しくなります。栄養も旬も選び方も、ポイントを押さえれば誰でもいわしを上手に味わえます。

この記事の要点を振り返ります。

  • 青魚は「背が青い魚」のゆるやかな総称で、いわしはその代表格
  • 店頭のいわしは主にマイワシ・カタクチイワシ・ウルメイワシの3種
  • マイワシ100gにDHA約870mg・EPA約780mg、たんぱく質19.2g、カルシウム74mg、ビタミンD32.0μg
  • マイワシは梅雨と秋、カタクチ・ウルメは秋冬が旬で、一年中どれかが旬
  • 選ぶときは目・エラ・体表のつや・お腹の張りをチェック
  • 手開きは爪ではなく指の腹で中骨を沿わせると身が崩れにくい
  • 刺身は新鮮なものを選び常温放置を避ける。忙しい日は缶詰が便利

まずは次の買い物で、トレーに並んだいわしの目とお腹を見比べてみてください。目が澄んでお腹がかたい1尾を選べたら、もう立派な青魚の目利きです。脂ののった旬のいわしを手開きして、塩焼きでも梅煮でも、好きな食べ方で味わってみてください。なお、栄養成分の数値は文部科学省の食品成分データベースなどで公開されているので、より詳しく知りたいときは一次情報も確認してみると安心です。

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この記事を書いた人

魚の種類・生態・食べ方を日々研究している魚好き。スーパーで見かける身近な魚から、釣り人にしか馴染みのない魚まで幅広くカバー。「この魚ってどう食べるの?」という疑問に答える、魚の図鑑のようなメディアを目指しています。

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