「めざしって塩分が多いし、体に悪いのでは?」と気になったことはありませんか。朝食の定番として昔から親しまれてきためざしですが、プリン体やコレステロールの話題と絡めて「食べすぎると危険」というイメージを持っている方も少なくありません。
結論から言うと、めざしは食べる量と組み合わせさえ工夫すれば、カルシウム・DHA・ビタミンDなど現代人に不足しがちな栄養素を丸ごと補える優秀な食材です。ただし、塩分とプリン体が多い食品であることも事実なので、「1日に何尾まで食べていいのか」「塩分を減らす食べ方はあるのか」を正しく知っておくことが大切です。
この記事では、めざしが体に悪いと言われる理由を栄養データで検証しながら、1日の適量・塩分を抑える食べ方・他の干物との比較まで丸ごと解説します。
・めざしが「体に悪い」と言われる3つの理由(塩分・プリン体・コレステロール)
・100gあたりの栄養成分データと、牛乳の約3.2倍のカルシウム量の実力
・1日に食べていい本数を塩分・プリン体の両面から計算した結果
・塩分を減らす食べ方の工夫と、他の干物との栄養比較
めざしが「体に悪い」と言われる3つの理由

塩分が100gあたり約2.2gと多め|1尾でも0.4〜0.7gになる
めざしが体に悪いと言われる最大の理由は塩分量です。日本食品標準成分表(八訂)によると、めざし(生)の食塩相当量は100gあたり約2.2gで、1尾(約20〜30g)に換算すると0.4〜0.7gの塩分が含まれています。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日あたりの食塩摂取目標量を男性7.5g未満・女性6.5g未満としています。朝食でめざしを3尾食べると、それだけで1.2〜2.1gの塩分を摂ることになり、1日の目標量の約16〜28%を占める計算です。みそ汁や漬物と組み合わせれば、朝食だけで3g以上になることも珍しくありません。
ただし、これはめざしに限った話ではなく、干物全般に当てはまることです。塩蔵品や干物は保存性を高めるために塩を使っているため、どうしても塩分は高くなります。めざしだけを悪者にするのではなく、1日の食事全体で塩分を調整する視点が大切です。
プリン体が100gあたり約210mg|痛風リスクとの関係
めざしの原料であるイワシは、プリン体が100gあたり約210mg含まれる「プリン体が多い食品」に分類されます。公益財団法人痛風・尿酸財団の分類では、100gあたり200mg以上が「プリン体が多い」とされており、イワシはちょうどこのラインに該当します。
さらに注意が必要なのは、めざしは干物であるという点です。干すことで水分が抜け、同じ重量あたりのプリン体濃度は生のイワシより高くなります。日本痛風・尿酸核酸学会のガイドラインでは1日のプリン体摂取量を400mg以下に抑えることを推奨しており、めざしを大量に食べると上限に近づきやすくなります。
とはいえ、めざし1尾(約20〜30g)に含まれるプリン体は約42〜63mgです。2〜3尾なら84〜189mgで、他の食事のプリン体量を考慮しても400mgに収まる範囲です。尿酸値が高めの方は、レバーや白子など他の高プリン体食品と重ならないよう意識すれば、めざしを完全に避ける必要はありません。
コレステロールが気になる?|実は食事由来の影響は限定的
めざしには内臓ごと食べる分だけコレステロールも含まれます。100gあたり約100mgのコレステロールが含まれており、「コレステロールが高い食品は体に悪い」というイメージから敬遠する方もいます。
しかし、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食事由来のコレステロールが直接的に血中コレステロール値を上げるという十分なエビデンスがないとして、コレステロールの摂取上限値は設定されていません。もちろん脂質異常症の方は医師の指示に従う必要がありますが、健康な方がめざし数尾のコレステロールを心配する必要性は低いといえます。
むしろ注目すべきは、めざしに含まれるDHA・EPAです。これらのオメガ3脂肪酸は血中の中性脂肪を下げる働きが報告されており、コレステロールのデメリットを相殺する方向に働く可能性があります。
高血圧で塩分制限を指示されている方や、尿酸値が7.0mg/dL以上で痛風のリスクがある方は、めざしの量を1日1〜2尾に抑えるか、主治医に相談してください。自己判断で「大丈夫だろう」と食べ続けると、知らないうちにリスクが蓄積することがあります。
数字で見るめざしの栄養パワー|カルシウムは牛乳の約3.2倍
カルシウム350mg|骨ごと食べるから吸収量が段違い
めざしの栄養面で最も光るのがカルシウムです。文部科学省 食品成分データベースによると、めざし100gあたりのカルシウム量は約350mgで、牛乳100gあたり約110mgの約3.2倍にあたります。
なぜこれほど多いかというと、めざしは頭から尾まで骨ごとすべて食べるからです。カルシウムは骨に凝縮されているため、切り身だけを食べる大型魚と比べて摂取量が格段に多くなります。成人の1日のカルシウム推奨量は650〜800mgなので、めざし3尾(約60〜90g)で210〜315mgを補える計算です。
カルシウムが不足すると骨密度の低下や骨粗鬆症のリスクが高まります。牛乳が苦手な方や乳製品を控えている方にとって、めざしは有力なカルシウム補給源になります。
DHA約680mg・EPA約510mg|青魚の実力を丸ごと摂取
めざしの原料であるイワシは青魚の代表格で、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富です。めざし100gあたりDHA約680mg・EPA約510mgが含まれており、合計で約1,190mgのオメガ3脂肪酸を摂取できます。
DHA・EPAは血中の中性脂肪を低下させたり、血液の流動性を保ったりする働きが研究で報告されています。厚生労働省はDHA・EPAを合わせて1日1g以上の摂取を推奨しており、めざし100gで1日分をほぼカバーできる計算です。
青魚は「体によい」とわかっていても、刺身や煮付けは手間がかかるもの。めざしなら焼くだけで手軽にDHA・EPAを摂れるのが大きなメリットです。

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ビタミンD約10μg|1日の目安量を3尾でクリア
めざし100gあたりのビタミンD含有量は約10μgです。成人の1日の目安量が8.5μg(日本人の食事摂取基準2020年版)なので、めざし3尾(約60〜90g)で6〜9μg、つまり1日の目安量の約70〜100%を補えます。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける栄養素で、いくらカルシウムを摂っても、ビタミンDが不足していると体内でうまく利用されません。めざしにはカルシウムとビタミンDの両方が含まれているため、骨の健康を考えるなら理にかなった食品です。
ビタミンDは日光浴でも体内で合成されますが、日焼け止めの使用や室内で過ごす時間が長い現代の生活スタイルでは不足しやすい栄養素です。食品からの摂取源として、めざしは手軽な選択肢になります。
ビタミンB12約15.4μg|貧血予防に欠かせない
めざし100gあたりにはビタミンB12が約15.4μg含まれています。成人の1日の推奨量は2.4μgなので、めざし数尾で十分すぎるほどの量です。
ビタミンB12は赤血球の生成に関わる栄養素で、不足すると巨赤芽球性貧血(悪性貧血)を引き起こすことがあります。植物性食品にはほとんど含まれないため、菜食中心の食生活をしている方は意識して魚介類から摂る必要があります。
水溶性ビタミンなので過剰摂取のリスクは低く、多めに摂っても尿として排出されます。めざしを食べる際にビタミンB12の過剰を心配する必要はありません。
| 分類 | ニシン目ニシン科(カタクチイワシ・ウルメイワシなど) |
| 原料 | 小型のイワシを塩漬けにし、目から串を通して干した干物 |
| エネルギー | 生:約157kcal / 焼き:約206kcal(100gあたり) |
| 1尾の重さ | 約20〜30g |
| 注目の栄養素 | カルシウム約350mg、DHA約680mg、EPA約510mg、ビタミンD約10μg(100gあたり) |
| おすすめの食べ方 | グリルで焼いて大根おろし・レモンを添える |
1日に何尾まで?めざしの適量を塩分・プリン体から逆算する

塩分から考えると1日3〜4尾が上限ライン
めざし1尾(約25g)の食塩相当量はおよそ0.5gです。1日の塩分目標量は男性7.5g未満・女性6.5g未満ですが、朝・昼・夕の3食で均等に配分すると1食あたり約2.2〜2.5gが目安になります。
朝食でめざしを4尾食べると塩分は約2.0gで、みそ汁1杯(塩分約1.2g)を加えるとそれだけで3.2g。1食分の枠をすでに超えてしまいます。逆に、めざし3尾(塩分約1.5g)+みそ汁なら計2.7gで、ごはんや副菜の塩分を入れても収まりやすくなります。
塩分を基準に考えた場合、めざしの適量は1日3尾程度、塩分を気にしている方なら2尾までが現実的なラインです。
プリン体から考えると1日4〜5尾でも余裕がある
めざし1尾(約25g)に含まれるプリン体は約53mgです。4尾食べても約210mgで、1日の上限400mgの約半分に収まります。残りの食事で肉や魚を普通に食べても、レバーや白子などの高プリン体食品を避ければ400mgを超えることはまずありません。
つまり、プリン体の観点だけなら、めざしは4〜5尾食べても問題ない計算になります。ただし尿酸値が7.0mg/dL以上の方や痛風の既往がある方は、プリン体だけでなくアルコールや果糖の摂取も尿酸値に影響するため、食事全体のバランスを医師と相談することをおすすめします。
やりがちな失敗は、「ビールのつまみにめざし」の組み合わせです。ビールは飲料の中でプリン体が多く、350mL缶1本で約12〜25mgのプリン体が含まれます。めざし+ビールの組み合わせ自体は少量なら問題ありませんが、何杯も飲みながらつまむと合計のプリン体量が跳ね上がります。
結局のところ「1日2〜3尾」が万人向けの目安
塩分とプリン体の両方を考慮すると、めざしの適量は1日2〜3尾(約50〜75g)に落ち着きます。この量なら塩分は1.0〜1.5g、プリン体は約105〜158mgで、他の食事に大きな制約をかけずに済みます。
2〜3尾というのはちょうど朝食で焼いて食べきれるくらいの量です。毎朝の食卓にめざしを取り入れるなら、「小皿に2〜3尾」と覚えておくと簡単です。
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、高血圧や腎臓病で厳格な塩分制限を受けている方は、主治医の指示に従ってください。
めざしの塩分を減らす5つの食べ方
焼く前に流水で30秒ほど表面を洗い流す
めざしの塩分を手軽に減らす方法として、焼く前に流水でさっと表面を洗うテクニックがあります。めざしの塩分は表面に多く付着しているため、30秒ほど水で流すだけで体感の塩味がかなり和らぎます。
ポイントは「水に浸けない」ことです。長時間水に浸けると旨味成分まで抜けてしまい、パサパサした食感になります。流水でさっと洗ったらキッチンペーパーで水気を拭き取り、すぐに焼きましょう。
意外と知られていませんが、この方法は塩サンマなど他の塩蔵魚にも応用できます。「迎え塩」と呼ばれる塩水に漬けて塩抜きする方法もありますが、めざしのような小さな魚なら流水洗いで十分です。

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大根おろし・レモン・酢を添えて体内の塩分排出を助ける
めざしに大根おろしやレモンを添えるのは見た目だけの演出ではありません。大根に含まれるカリウムには体内のナトリウム(塩分)の排出を促す働きがあり、レモンのクエン酸は尿酸の排出をサポートするといわれています。
大根おろしをたっぷり添えることで、めざしの塩味が大根おろしに分散し、少ない塩分でも味が物足りなく感じにくくなるという副次的な効果もあります。酢の物を副菜に加えるのも同様の理由で相性がよい組み合わせです。
逆に避けたいのは、めざしに醤油をかける習慣です。めざし自体に塩味がしっかりあるため、醤油を足すと塩分の二重取りになります。物足りないと感じたらレモンを絞るか、七味唐辛子など塩分ゼロの薬味で味を調えましょう。
カリウムが多い野菜・果物を一緒に食べる
カリウムにはナトリウムの排出を促す作用があるため、カリウムが豊富な食品をめざしと同じ食事に取り入れると、塩分の影響を緩和できます。カリウムが多い身近な食品としては、ほうれん草(100gあたり約690mg)、バナナ(1本あたり約360mg)、アボカド(100gあたり約720mg)などがあります。
朝食でめざしを焼くなら、ほうれん草のおひたしや納豆(100gあたりカリウム約660mg)を副菜にするとバランスが取りやすくなります。フルーツを添えるならバナナやキウイフルーツが手軽です。
ただし、腎臓の機能が低下している方はカリウムの摂取制限が必要な場合があります。腎臓病の治療中の方は、カリウムを増やす前に必ず主治医に確認してください。
焼き加減を「強火の遠火」にして余分な塩を落とす
めざしを焼くときの火加減も塩分量に影響します。「強火の遠火」でじっくり焼くと、表面の塩分が脂とともに溶け出して落ちやすくなります。魚焼きグリルを使う場合は、網の下にアルミホイルを敷いて脂と塩分を受けると掃除も楽です。
フライパンで焼く場合は、クッキングシートを敷いてから焼くと、溶け出した塩分が魚に再付着しにくくなります。焼き上がったらキッチンペーパーの上に一度置いて、表面の余分な脂と塩を吸い取るひと手間も効果的です。
失敗しがちなのが、弱火でじっくり焼きすぎるケースです。弱火だと水分が抜けて塩味が凝縮されるうえ、身がパサつきやすくなります。片面3〜4分ずつ、中火〜強火でカリッと焼き上げるのがコツです。
・焼く前に流水で30秒洗う(浸け置きはNG)
・大根おろし・レモンを添えて塩分排出をサポート
・醤油はかけない。物足りなければレモンか七味で
・強火の遠火で焼いて余分な塩を落とす
・カリウムの多い副菜(ほうれん草・納豆)と組み合わせる
めざしを毎日食べるとどうなる?メリットとリスクの両面を解説
メリット:骨密度の維持とDHA・EPAの安定補給
めざしを習慣的に食べる最大のメリットは、カルシウム・ビタミンD・DHA・EPAを同時に安定供給できることです。カルシウムとビタミンDは骨密度の維持に不可欠で、DHA・EPAは血中の中性脂肪低下に関与します。
骨密度は20〜30代をピークに加齢とともに低下していきます。閉経後の女性ではホルモンバランスの変化で骨密度の低下が加速するため、日常的にカルシウムとビタミンDを摂っておくことが予防につながります。めざし2〜3尾で1日のカルシウムの約30〜40%、ビタミンDの約70〜100%を補えるのは大きなアドバンテージです。
また、DHA・EPAは体内でほとんど合成できない必須脂肪酸なので、食品から摂るしかありません。サプリメントで摂る方もいますが、めざしなら食品として丸ごと栄養を摂れます。
リスク:塩分の蓄積と尿酸値の上昇に注意
毎日めざしを食べ続ける場合のリスクは、やはり塩分の蓄積です。1日3尾(塩分約1.5g)を30日間食べると、めざしだけで月間45gの食塩を摂取する計算になります。他の食事が薄味なら問題ありませんが、味の濃いおかずが多い食生活の方は、全体の塩分が過剰になりやすいので要注意です。
塩分の過剰摂取が続くと、血圧上昇→動脈硬化→心疾患や脳卒中のリスクが段階的に高まります。自覚症状がないまま進行するため、「体調に変化がないから大丈夫」とは言い切れません。
尿酸値についても、プリン体を含む食品を毎日コンスタントに摂ることで尿酸の産生が蓄積する可能性があります。年に1回の健康診断で尿酸値と血圧をチェックする習慣をつけておくと安心です。
「毎日2尾+副菜で調整」が現実的な落としどころ
毎日めざしを食べたいなら、「1日2尾+副菜で塩分とカリウムのバランスを取る」のが現実的です。2尾なら塩分は約1.0g、プリン体は約105mgで、朝食全体の塩分を2.5g以内に収めやすくなります。
具体的な朝食例としては、「めざし2尾+大根おろし+ほうれん草のおひたし+ごはん+減塩みそ汁」がバランスのよい組み合わせです。減塩みそ汁を使えば、みそ汁の塩分を0.7g程度に抑えられます。
週に1〜2日は別の焼き魚(塩分が控えめなシャケやサワラなど)に置き換えて、めざし以外の魚の栄養素も取り入れるとさらに理想的です。同じ魚ばかり食べるよりも、複数の魚種をローテーションするほうが栄養バランスは整います。

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めざしと他の干物で塩分・プリン体・栄養を比較する
アジの開き vs めざし|塩分はアジの開きのほうが低い
アジの開き(干物)の食塩相当量は100gあたり約1.7gで、めざしの約2.2gより低めです。これはアジの開きが背開きにして塩水に漬けるのに対し、めざしは小さなイワシを丸ごと塩漬けにするため、体表面積に対する塩の付着量が多くなることが原因です。
一方、カルシウムはめざしの約350mgに対してアジの開きは約60mgと大きな差があります。これはめざしが骨ごと食べるのに対し、アジの開きは中骨を残して食べることが多いためです。
塩分を抑えつつタンパク質をしっかり摂りたいならアジの開き、カルシウムとビタミンDを重視するならめざし、と目的に応じて使い分けるのがおすすめです。
しらす干し vs めざし|少量ずつ使えるしらすは塩分調整がしやすい
しらす干し(半乾燥)の食塩相当量は100gあたり約4.1gと、実はめざしより高い数値です。ただし、しらす干しは1回に使う量が大さじ1〜2杯(約10〜20g)程度なので、実際に摂る塩分量は0.4〜0.8gとめざし1尾分と同程度になります。
しらす干しもイワシの稚魚を使った加工品なので、カルシウムやDHA・EPAが豊富な点はめざしと共通しています。ただし、プリン体は100gあたり約470mgとかなり高く、しらすを大量に食べるのは避けたほうがよいでしょう。
しらす干しはサラダや冷奴のトッピングなど「少量を散らす」使い方ができるので、塩分の微調整がしやすいのがメリットです。
煮干し(いりこ) vs めざし|出汁に使えばプリン体は減らせる
煮干し(いりこ)はめざしと同じイワシ系の干物ですが、より乾燥度が高く、100gあたりの食塩相当量は約4.3g、プリン体は約746mgときわめて高い値です。ただし、煮干しは出汁を取るために使うことが多く、そのまま100g食べることはまずありません。
出汁として使う場合、プリン体の一部は煮汁に溶出しますが、煮干しの身を食べなければ摂取量は抑えられます。出汁として使ったあとの煮干しを「もったいないから食べる」という方もいますが、プリン体を気にしている方は出汁だけを使って煮干し本体は除くほうが無難です。
めざしは「焼いてそのまま食べる」用途なので、煮干しとは使い方がまったく異なります。同じイワシ系でも乾燥度と用途で塩分・プリン体の実質摂取量は大きく変わるということを覚えておくと便利です。
| 比較項目 | めざし | アジの開き | しらす干し | 煮干し |
|---|---|---|---|---|
| 食塩相当量(100gあたり) | 約2.2g | 約1.7g | 約4.1g | 約4.3g |
| カルシウム(100gあたり) | 約350mg | 約60mg | 約520mg | 約2,200mg |
| プリン体(100gあたり) | 約210mg〜 | 約245mg | 約470mg | 約746mg |
| 1回の食べる量の目安 | 2〜3尾(50〜75g) | 1枚(約60g) | 大さじ1〜2(10〜20g) | 出汁用5〜10尾 |
めざしの選び方・焼き方・保存で美味しさを保つコツ
スーパーで良いめざしを選ぶ3つのチェックポイント
めざしをスーパーで買うとき、まず見るべきは「目」です。名前の由来にもなっている通り、めざしは目に串を通して干す魚なので、目の周辺がきれいで透明感が残っているものほど鮮度のよい原料を使っています。目が白く濁っていたり、乾燥しすぎて目の穴が崩れているものは、製造から時間が経っている可能性があります。
次に「色」を確認します。良質なめざしは銀色〜青みがかった光沢があり、身にツヤがあります。黄色っぽく変色しているものは脂が酸化しているサインなので避けましょう。
最後に「匂い」です。パック越しでもわかるほど強い生臭さがある場合は鮮度が落ちています。軽い磯の香りや干物らしい香ばしい匂いは正常です。
冷蔵なら2〜3日・冷凍なら2〜3週間が保存の目安
めざしは干物なので生魚より日持ちしますが、それでも冷蔵庫での保存は2〜3日が目安です。干物とはいえ半乾燥の状態で売られていることが多く、水分が残っている分だけ傷みやすくなっています。
すぐに食べきれない場合は購入当日に冷凍するのがベストです。1回分ずつラップで包み、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍すれば2〜3週間は品質を保てます。冷凍めざしは解凍せずにそのまま焼いてOKです。凍ったまま魚焼きグリルに入れると、解凍時に出る水分が蒸発して表面がカリッと仕上がります。
やりがちな失敗は、パックを開封した状態で冷蔵庫に入れっぱなしにすることです。開封すると空気に触れて脂の酸化が進み、翌日には風味が落ちます。開封したらその日のうちに食べるか、残りは即冷凍しましょう。
焼き方の基本|グリル・フライパン・トースターの使い分け
めざしの焼き方で一番おすすめなのは魚焼きグリルです。上下から加熱できるタイプなら片面3〜4分ずつ、合計6〜8分でカリッと焼き上がります。火力は中火〜強火で、焦げすぎない程度に皮目に焼き色がつけば食べごろです。
フライパンで焼く場合はクッキングシートを敷いて、油は引かずに焼きます。めざし自体の脂で十分なので、油を足すと脂っこくなります。片面2〜3分ずつ、中火で焼いてください。
オーブントースターでも焼けますが、脂が落ちてヒーターに触れると煙が出やすいので、アルミホイルを敷いた上にめざしを並べましょう。1000Wで7〜8分が目安です。途中で裏返す手間がないのはトースターの利点ですが、焼きムラが出やすいので1尾ずつ焼き加減を確認してください。
めざしは身が薄いため、焼きすぎるとあっという間に炭のようになります。特にトースターは温度調節が難しいので、初めて焼くときは5分経過した時点で一度様子を見てください。焦げた部分にはアクリルアミドなどの有害物質が生成される可能性があるため、真っ黒になった部分は食べずに取り除きましょう。
意外と知らないめざしの豆知識|名前の由来から旬まで
「めざし」の名前は本当に目に串を刺すことから来ている
めざしの語源は文字通り「目刺し」です。小型のイワシを塩漬けにしたあと、竹串や藁(わら)を目の部分に刺して数尾ずつ束ね、天日で干して作ります。目に串を通すのは、エラや口に通すよりも魚体が安定し、均一に乾燥させやすいからです。
使われるイワシの種類は主にカタクチイワシとウルメイワシです。マイワシが使われることもありますが、マイワシは体が大きいため「丸干し」として別に扱われることが多く、一般に「めざし」として売られているのは体長10〜15cm程度の小型イワシです。
スーパーではパック詰めで売られていますが、昔ながらの干物屋では藁に刺さった状態で吊るして売っている店もあります。この見た目がめざしの名前の由来をそのまま表しています。
めざしの旬は秋〜冬|脂がのって塩気とのバランスが絶妙
めざしの原料となるイワシの旬は種類によって異なりますが、カタクチイワシは秋〜冬(10月〜2月)、ウルメイワシは冬〜春(12月〜3月)が脂のりのピークです。この時期に獲れたイワシで作っためざしは、脂と塩のバランスがよく、焼いたときにジューシーな味わいになります。
ただし、めざしは干物(加工品)なので、生鮮魚ほど旬を気にする必要はありません。通年で手に入りますし、冷凍流通も発達しているため、品質の差は旬よりも製造方法や保存状態に左右されます。
もし旬のめざしを味わいたいなら、秋〜冬に製造された国産品を選ぶとよいでしょう。パッケージに製造時期や原料の漁獲時期が記載されていることがあるので、チェックしてみてください。
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ◎ | ◎ | ○ | △ | △ | △ | △ | △ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
◎=最旬(脂のりがよい時期) ○=美味しい △=出回るが旬ではない
めざしと丸干しの違い|大きさと塩分濃度が異なる
「めざし」と「丸干し」はどちらもイワシの干物ですが、厳密には異なります。めざしは体長10〜15cmの小型イワシを目に串を刺して干したもの、丸干しは体長15cm以上のやや大きなイワシをそのまま天日干ししたものです。
製法の違いから、丸干しのほうが乾燥に時間がかかるため塩の量も多くなる傾向があります。一般的に丸干しの食塩相当量は100gあたり約3.0〜4.0gで、めざしの約2.2gよりも高めです。
味の面では、丸干しのほうが身が厚いため食べごたえがあり、めざしは小ぶりな分だけカリッとした食感が楽しめます。丸ごと食べやすいのはめざしのほうなので、骨ごとカルシウムを摂りたいならめざしに軍配が上がります。
まとめ|めざしは「体に悪い」のではなく「食べ方次第」で体の味方になる
めざしが体に悪いと言われる主な理由は、塩分(100gあたり約2.2g)とプリン体(100gあたり約210mg〜)の多さです。確かにこれらの数値は低くはありませんが、1日2〜3尾(約50〜75g)という適量を守り、大根おろしやカリウム豊富な副菜と組み合わせれば、塩分もプリン体も十分にコントロールできます。
むしろ、めざしにはカルシウム約350mg(牛乳の約3.2倍)、DHA約680mg、EPA約510mg、ビタミンD約10μg、ビタミンB12約15.4μgと、現代人に不足しがちな栄養素がぎっしり詰まっています。骨ごと丸ごと食べられる小魚だからこそ得られる栄養バランスは、切り身の大型魚では代替が難しいものです。
この記事の要点を整理します。
- めざしの塩分は1尾あたり約0.5g。1日2〜3尾なら食事全体の塩分バランスを崩しにくい
- プリン体は1尾あたり約53mg。レバーや白子などの高プリン体食品と同日に食べなければ400mgの上限に収まる
- カルシウム・ビタミンD・DHA・EPAを1つの食品で同時に摂れるのはめざしの大きな強み
- 塩分を減らすには「焼く前に流水洗い」「大根おろし・レモンを添える」「醤油をかけない」が有効
- カリウムが多い副菜(ほうれん草・納豆・バナナ)と組み合わせてナトリウムの排出を促す
- 冷蔵は2〜3日、冷凍は2〜3週間が保存の目安。開封したらその日のうちに食べるか即冷凍
- 高血圧・腎臓病・痛風の既往がある方は主治医に相談のうえ適量を決める
まずは明日の朝食で、めざし2尾と大根おろしの組み合わせを試してみてください。焼きたてのめざしに大根おろしをのせてレモンを絞れば、塩分を抑えながらもカリッと香ばしい干物の美味しさを堪能できます。
※栄養成分の数値は日本食品標準成分表(八訂)および公益財団法人痛風・尿酸財団の公表データに基づいています。個人の健康状態によって適量は異なりますので、持病のある方は医療機関でご相談ください。

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