血合いとは魚の暗赤色の筋肉|栄養・臭み取り・魚種で変わる量の違いを丸ごと解説

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スーパーでサバの切り身やマグロのサクを見ると、身の真ん中あたりに赤黒い帯のような部分がありますよね。あれが「血合い(ちあい)」です。「血のかたまりみたいで気持ち悪い」「臭そうだから取り除いている」という人は少なくありません。でも、その血合いこそが鉄分やDHAをたっぷり含んだ栄養の宝庫だとしたら、捨ててしまうのはもったいない話です。

結論から言うと、血合いは血のかたまりではなく「筋肉の一部」で、魚が泳ぎ続けるためのエンジンのような役割を持っています。赤身魚に多く白身魚に少ないのにも、ちゃんとした理由があります。この記事では、血合いとは何かという正体から、魚種で量がここまで違う理由、栄養成分、生臭さの原因と下処理のコツ、美味しい食べ方、そして2024年に決まった新しい名前まで、魚好き同士で「これ知ってた?」と話したくなる知識を丸ごとまとめました。今日からスーパーで魚を見る目が変わるはずです。

📌 この記事でわかること

・血合いの正体は「血のかたまり」ではなく暗赤色の筋肉
・赤身魚(マグロ15%・真サバ35%)と白身魚(数%)で量が大きく違う理由
・鉄分・DHA・セレノネインなど血合いの栄養と上手な下処理のコツ
・捨てずに活かす食べ方と、2024年に誕生した新名称「茜身」の話

目次

血合いとは魚の体にある暗赤色の筋肉のこと

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血合いとは、魚の身の中央を走る赤黒い色をした筋肉のことです。見た目から「血が固まったもの」と誤解されがちですが、正体は普通の身(白い部分)とは性質の違う「筋肉の一部」です。まずはこの基本から押さえていきましょう。

血合いの正体は「血のかたまり」ではなく筋肉

血合いは血が溜まって固まったものではなく、魚の体側筋(たいそくきん/胴体の左右にある筋肉)のうち、暗赤色をした部分を指します。専門的には「血合肉(ちあいにく)」と呼ばれる立派な筋肉組織です。なぜ筋肉なのに血のように赤いかというと、後で詳しく触れる色素タンパク質をたくさん含んでいるから。スーパーで見かける赤黒い帯は、傷んで血が滲んだわけではなく、もともとその色の筋肉なのです。見分け方としては、白い普通の身とくっきり境界を作って帯状に走っているのが血合い。包丁を入れると普通の身よりやや締まった質感で、火を通すと黒っぽく硬く締まります。鮮度が落ちると確かに色は悪くなりますが、「赤黒い=古い」とは限らない点は覚えておきたいところです。

赤黒い色の正体はミオグロビンという色素タンパク質

血合いが赤黒く見えるのは、「ミオグロビン」という色素タンパク質が普通の身よりはるかに多く含まれているからです。ミオグロビンは筋肉の中で酸素をためこむ働きを持つタンパク質で、酸素と結びつくことで赤い色を示します。さらにチトクロムなど呼吸に関わる色素も豊富に含まれており、これらが合わさって独特の暗い赤色になります。台所で確認するなら、マグロのサクを切ったときに中央に走る濃い赤黒い筋がまさにミオグロビンの密集地帯。覚えておきたいのは、空気に触れる時間が長いとミオグロビンが酸化して褐色(メト化)に変わること。買ってきた血合いがすぐ茶色っぽくなるのはこのためで、必ずしも腐敗ではありません。ただし変色とぬめり・異臭が同時に出ていたら鮮度低下のサインなので、そこは区別して判断しましょう。

背身と腹身の間、背骨に沿って走る位置にある

血合いがある場所は、魚を三枚におろしたときの「背身(せみ/背中側)」と「腹身(はらみ/お腹側)」のちょうど境目、背骨に沿った部分です。一匹を真横から見ると、中心線あたりに横一文字の帯として走っているのがわかります。スーパーの切り身でいうと、サバやブリの切り身の真ん中あたりにある赤黒い三角〜帯状の部分がそれ。マグロのサクでは、背側より腹側、そして頭より尾に近づくほど血合いの割合が増えていきます。この位置を知っておくと、刺身にするとき血合いを避けて切り出したり、逆に栄養目当てで血合いごと使ったりと、目的に応じて使い分けができます。背身と腹身では味も脂のりも違うので、部位の名前と場所はセットで覚えておくと魚選びがぐっと楽になります。

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普通肉(白い身)との決定的な違い

血合肉と普通肉(白い身の部分)の最大の違いは、「持久力か瞬発力か」という筋肉の役割です。血合肉は酸素を使い続けながら疲れにくく長時間動ける「持久力タイプ」の筋肉で、普通肉は短時間に大きな力を出す「瞬発力タイプ」。人間でいえばマラソン選手の筋肉と短距離走者の筋肉の違いに近いと考えるとイメージしやすいです。この違いは成分にも表れていて、血合肉は鉄分やビタミンB群、脂質が多く、味が濃いかわりに傷みやすい。普通肉はあっさりして日持ちしやすい傾向があります。注意点として、血合いは栄養が濃い反面、鮮度低下も早いので、買ったその日のうちに下処理して使い切るのが安心です。同じ一匹の魚でも、部位によってこれだけ性格が違うというのは知っておくと面白いポイントです。

📌 押さえておきたいポイント

血合いは「血のかたまり」ではなく、酸素をためるミオグロビンを多く含んだ暗赤色の「筋肉」。背身と腹身の間、背骨に沿って走り、長く泳ぐための持久力タイプの筋肉です。

なぜ赤身魚ほど血合いが多い?回遊魚の体の秘密

血合いの量は魚によって大きく違いますが、ざっくり言えば「よく泳ぐ魚ほど血合いが多い」という法則があります。なぜ泳ぐ量と血合いが関係するのか、魚の体の仕組みから見ていきましょう。

長時間泳ぎ続ける魚は酸素をたくさん使う

マグロやカツオのような回遊魚に血合いが多いのは、止まらず泳ぎ続けるために大量の酸素を必要とするからです。血合肉は酸素をためるミオグロビンが豊富で、酸素を使いながら疲れずに動き続ける持久力筋。外洋を何百キロも回遊する魚にとっては、まさに生命線となる筋肉です。逆に、岩陰でじっと獲物を待つタイプの白身魚は瞬発力で一気に飛びかかる狩りをするため、持久力筋である血合いはあまり必要ありません。これが「赤身魚=血合いが多い」「白身魚=血合いが少ない」という違いを生んでいます。スーパーで魚を見るときも、「この魚はよく泳ぐ回遊魚かな?」と考えると、血合いの量がだいたい想像できるようになります。生態と体の構造がつながっているのが面白いところです。

血合いには「表層血合肉」と「真正血合肉」の2種類がある

血合肉は、ある場所によって「表層血合肉(ひょうそうちあいにく)」と「真正血合肉(しんせいちあいにく)」の2種類に分けられます。表層血合肉は体の表層、皮の近くにあるもので、ほぼすべての魚が持っており、海の表層を活発に回遊する魚ほど発達します。一方の真正血合肉は背骨の周りの深い部分にあり、カツオやマグロのように外洋を大回遊する大型・中型の魚だけに発達する特別な筋肉です。見分け方としては、マグロのサクの中央深くにある濃い血合いが真正血合肉、皮ぎわのうっすら赤い部分が表層血合肉に近いイメージ。豆知識として、真正血合肉を持つ魚はそれだけ運動能力が高い証拠でもあります。普段なにげなく「血合い」と一言で呼んでいる部分も、実は2層構造になっていると知ると、魚の体の精巧さに驚かされます。

血合いは体温を上げる「逆熱交換」にも関わる

血合肉は、マグロやカツオが体温を海水より高く保つ仕組みにも深く関わっています。これらの魚は「奇網(きもう)」と呼ばれる血管の束を使った逆熱交換システムを持ち、血合肉が運動で生み出した熱を体の外に逃がさず体内に蓄えます。その結果、周囲の海水より体温を高く維持でき、冷たい海でも筋肉をしっかり働かせて高速で泳げるのです。具体例として、クロマグロは外洋の冷たい水温帯でも活発に泳ぎ回れますが、これは血合肉が生む熱を逃さない体の作りがあってこそ。注意点というより豆知識ですが、この発熱する性質も血合いが傷みやすい一因とされます。栄養を作り出すエンジンであり、体を温めるヒーターでもある——血合いは魚にとって何役もこなす重要な部位なのです。

Q. なぜマグロやカツオは血合いが多いのですか?
A. マグロやカツオは外洋を止まらず泳ぎ続ける回遊魚で、大量の酸素を必要とするからです。血合肉は酸素をためるミオグロビンが豊富な持久力筋なので、長距離を泳ぐ魚ほど発達します。逆に岩陰で待ち伏せする白身魚は瞬発力で狩りをするため、血合いは少なめです。

魚種で量がこんなに違う|マグロ15%・真サバ35%の差

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同じ「血合い」でも、その量は魚種によって驚くほど違います。多い魚は全体の3分の1以上が血合いということもあれば、白身魚では数%しかないことも。ここでは代表的な魚を比べてみましょう。

マグロ・カツオは血合いが多い回遊魚の代表

血合いが多い魚の代表格がマグロとカツオです。マグロは身全体に占める血合いの割合が15%以上ともいわれ、特に尾に近づくほど血合いの割合が高くなります。カツオも真正血合肉がよく発達した魚で、外洋を高速で回遊する生態がそのまま血合いの多さに表れています。スーパーやお店で見分けるなら、マグロのサクの中央に走る濃い赤黒い帯がそれ。カツオのタタキでも、皮ぎわや中心に色の濃い部分が見えます。注意点として、マグロの血合いはパックで「加熱用」と表示されて安く売られていることが多く、栄養価のわりにお得な部位です。回遊魚=血合いが多いという法則を知っておくと、お買い得な血合いを栄養目当てで活用しやすくなります。

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サバ・イワシ・サンマ・ブリも血合いが豊富

マグロやカツオほど目立ちませんが、サバ・イワシ・サンマ・ブリといった青魚や回遊魚も血合いが豊富な魚です。特に真サバは血合いの割合が35%以上ともいわれ、切り身の真ん中にくっきりと赤黒い部分が見えます。これらの青魚は群れで長距離を回遊する生態を持つため、持久力筋である血合いが発達しています。見分け方としては、サバやサンマの切り身を見たときに、白い身と背骨の間にある赤黒い三角形の部分がまさに血合い。豆知識として、青魚の血合いはDHAやEPAといった良質な脂を含む一方、鮮度が落ちると最も早く臭みが出る部分でもあります。だからこそ、青魚は買ったその日のうちに下処理して血合いをきれいにしておくと、ぐっと美味しく食べられます。

タイ・タラ・カレイなど白身魚は数%だけ

反対に、タイ・タラ・カレイといった白身魚は血合いがとても少なく、一般的には数%、多くても10%を超えることはありません。これらの魚は岩礁や海底でじっと待ち伏せして獲物を捕らえる瞬発力タイプの狩りをするため、持久力筋である血合いをあまり必要としないからです。実際にタイの刺身やタラの切り身を見ても、赤黒い血合いはほとんど目立ちませんよね。これが白身魚のあっさりした上品な味わいにつながっています。見分け方の応用として、切り身に血合いがほとんど見当たらなければ白身魚、くっきり帯があれば赤身・青魚と判断できます。注意点として、白身魚でも血合いがゼロというわけではなく、皮ぎわなどにわずかに存在します。血合いの量は、その魚の生き方を映す鏡のようなものなのです。

【さかなのさ調べ】魚種別・血合いの割合と特徴の早見表

ここまでの内容を、魚種ごとの血合いの量と特徴で整理したのが下の表です。買い物のときの目安にしてください。

魚種 タイプ 血合いの量の目安 特徴
真サバ 青魚 35%以上 切り身中央に大きな血合い。傷みやすい
マグロ 赤身魚 15%以上 尾に近いほど多い。加熱用で安く出回る
カツオ・ブリ・イワシ 赤身・青魚 多い 真正血合肉が発達。栄養豊富
タイ・タラ・カレイ 白身魚 数%(10%未満) 血合いはわずか。あっさり上品

※割合は一般的な目安です。同じ魚種でも個体差・部位(背側/腹側、頭側/尾側)によって変わります。

血合いは栄養の宝庫|鉄分・DHA・セレノネインがすごい

「臭いから」と捨てられがちな血合いですが、実は魚の中でも特に栄養が詰まった部位です。どんな成分が含まれていて、体にどう役立つのかを見ていきましょう。

鉄分・ビタミンB群で貧血が気になる人の味方

血合いには鉄分とビタミンB群が豊富に含まれており、貧血が気になる人にとって心強い食材です。血合いが赤黒いのはミオグロビンという鉄を含む色素タンパク質が多いからで、その鉄分が普通の身よりも多く含まれます。さらにエネルギー代謝に関わるビタミンB群やグリコーゲンも豊富で、血合肉が「持久力の筋肉」であることを成分の面からも裏づけています。具体的な活用法として、レバーが苦手な人でも、サバやマグロの血合いなら魚の料理として取り入れやすいのが利点。注意点として、鉄分の吸収はビタミンCと一緒だと高まるとされるので、レモンを添えたり野菜と組み合わせたりすると効率的です。捨ててしまえばただのアラ、活かせば栄養源——血合いはまさにその境目にある部位です。

DHA・EPA・タウリンもしっかり含む

血合いには、青魚でおなじみのDHAやEPAといった良質な脂、そしてタウリンも含まれています。DHAやEPAは魚特有の不飽和脂肪酸で、血合いの多い青魚や回遊魚にとくに多く含まれる成分。タウリンはイカやタコにも多い成分で、血合いにもしっかり入っています。具体例として、マグロやカツオ、サバの血合いはこれらの成分の供給源になります。見分け方というより選び方のコツとして、DHA・EPAは脂にあたる成分なので、脂がのった旬の青魚を選ぶと効率よく摂れます。注意点として、DHA・EPAは酸化しやすいため、血合いは新鮮なうちに食べ切るのが鉄則。鮮度が落ちた血合いは栄養面でも風味面でも価値が下がってしまいます。良質な脂を逃さないためにも、早めの調理を心がけましょう。

抗酸化物質セレノネインと「第二の肝臓」の異名

マグロの血合いには「セレノネイン」という抗酸化物質が含まれていることが、近年の研究で注目されています。神奈川県水産技術センターなどの共同研究によると、セレノネインは活性酸素を取り除く働きが期待される成分で、ビタミンEを上回る抗酸化力を持つとされています。血合肉は鉄分やビタミン、グリコーゲンを蓄える性質が肝臓に似ていることから「第二の肝臓」と呼ばれることもあります。具体的な研究の場としては、マグロの一大産地である神奈川県三浦・三崎エリアで健康効果の研究やブランド化が進められています。注意点として、こうした健康効果はあくまで研究で示唆されている段階のもので、薬のような効能を保証するものではありません。気になる症状がある場合は自己判断せず、医療機関で相談してください。栄養豊富な食材として、毎日の食事に上手に取り入れるのが現実的な付き合い方です。

📌 血合いに含まれる主な栄養成分

鉄分・ビタミンB群…赤い色のもと。エネルギー代謝に関わる
DHA・EPA…青魚に多い良質な不飽和脂肪酸
タウリン・グリコーゲン…血合肉に蓄えられる成分
セレノネイン…抗酸化作用が研究で注目される成分(主にマグロ)

【失敗パターン】血合いを全部こそぎ落として栄養を逃す

ありがちな失敗が、「血合い=臭い・汚い」と思い込んで、せっかくの栄養ごと全部こそぎ落として捨ててしまうことです。原因は、血合いの赤黒い見た目や生臭さへの苦手意識。確かに刺身など生で食べる料理では血合いを除くこともありますが、加熱料理ならむしろ活かしたい部位です。対策としては、捨てる前に「これは加熱して食べられないか」と一度考えること。竜田揚げや生姜煮、味噌煮にすれば、臭みは抑えられて栄養はしっかり摂れます。豆知識として、マグロの血合いは安く売られていることが多いので、栄養価のわりにコスパが高い食材。もったいない精神で活用すれば、家計にも体にもうれしい一品になります。「捨てるか活かすか」で、魚一匹から得られる栄養はずいぶん変わってくるのです。

血合いはなぜ生臭い?臭みの原因と上手な下処理

血合いが敬遠される最大の理由が「生臭さ」です。でも、臭みには原因があり、正しく下処理すればかなり抑えられます。仕組みを知って、上手に付き合いましょう。

生臭さの正体はトリメチルアミン

魚の生臭さの正体は、「トリメチルアミン」という物質です。魚にはもともと「トリメチルアミンオキサイド」という無臭の成分が含まれていますが、鮮度が落ちると微生物の働きでこれが分解され、アンモニアのような臭いを放つトリメチルアミンに変わります。血合いは血液成分が多く、微生物が繁殖しやすいため、魚の中でも特に臭みが出やすい部分なのです。具体例として、買ってから時間が経ったサバの切り身がツンとした臭いを放つのは、まさにこの反応が進んだサイン。対策の基本は、ぬめりや内臓、血合いに残った血をしっかり洗い流すこと。豆知識として、トリメチルアミンはアルカリ性なので、酸性のレモンや酢をかけると中和されて臭いが和らぎます。臭みの仕組みを知れば、やみくもに血合いを嫌わずに済みます。

冷水で血抜き+霜降りで臭みを抑える手順

血合いの臭みを抑えるには、「冷水で血抜き」と「霜降り(熱湯処理)」の2段構えが効果的です。結論として、この下処理をするかしないかで仕上がりの風味は大きく変わります。理由は、血合いに残った血液成分や不純物が臭みのもとになるため、それを物理的に取り除くから。具体的な手順は下の通りです。注意点として、水に長く浸けすぎると旨味や栄養も流れ出てしまうので、血抜きは30分〜1時間を目安にしましょう。歯ブラシやスプーンを使うと、骨の際に残った血合いもかき出しやすくなります。

🔪 血合いの下処理の手順
Step1:背骨の際に残った血合いをスプーンや歯ブラシでこそぎ落とす
Step2:冷水(または薄い塩水)に30分〜1時間ほど浸けて血抜きする
Step3:取り出して軽く水洗いし、水気をしっかり拭き取る
Step4:気になる場合は酒を加えた熱湯にさっとくぐらせ霜降りにする
完成! 臭みが抜けて、煮付けや揚げ物に使いやすい状態になります

【失敗パターン】血合いを常温で長く放置してしまう

もう一つ気をつけたい失敗が、下処理しようとした血合いをキッチンに常温で長く放置してしまうことです。原因は「あとでまとめて処理しよう」という油断。血合いは血液成分が多く微生物が繁殖しやすいため、常温に置く時間が長いほど臭みが急速に強まり、傷みも早く進みます。対策は、魚を買ってきたらすぐ冷蔵庫に入れ、下処理も早めに済ませること。作業中も、使わない分は冷蔵庫やボウルの氷水で冷やしておくと安心です。とくに気温の高い夏場は、短時間でも常温放置は避けましょう。豆知識として、魚は低温を保つほど鮮度と風味が長持ちします。臭みリスクを下げるいちばんの近道は、「冷たいまま手早く」を徹底すること。食品の安全に不安を感じたときや体調に異変があるときは、無理をせず医療機関に相談してください。

血合いの美味しい食べ方|捨てずに活かす料理術

下処理さえできれば、血合いは立派な一品になります。濃い旨味と栄養を活かせる料理を、魚のタイプ別に紹介します。捨てていた人もぜひ試してみてください。

マグロの血合いは竜田揚げ・生姜煮・ヅケが定番

マグロの血合いを美味しく食べるなら、竜田揚げ・生姜煮・ヅケ(漬け)が定番です。結論として、血合い特有の濃い旨味は、しっかりした味付けと相性抜群。理由は、生姜やにんにく、醤油、酒といった香りの強い調味料が、血合いの風味を引き立てつつ気になる臭みを抑えてくれるからです。具体的には、ひと口大に切って下味をつけ片栗粉をまぶして揚げれば竜田揚げ、生姜と醤油でコトコト煮れば生姜煮、醤油だれに漬けてご飯にのせればヅケ丼になります。注意点として、加熱用として売られている血合いは必ず火を通すこと。豆知識として、表面を香ばしく焼いてステーキ風にするのもおすすめで、黒っぽい皿に盛ると見た目の悪さもカバーできます。安く手に入る部位だからこそ、気軽に試せるのが魅力です。

「加熱用」と「生食用」の違いに注意

血合いを買うときは、パックの「加熱用」「生食用(刺身用)」の表示を必ず確認しましょう。結論として、加熱用と書かれた血合いは生で食べず、必ず火を通します。理由は、血合いは傷みやすく、加熱用は生食を前提とした衛生管理がされていないことが多いため。具体例として、マグロの血合いはスーパーで「加熱用」として安く売られているケースが大半です。見分け方として、パックのラベルやシールの表示が判断の基準になります。注意点として、たとえ見た目が新鮮そうでも、表示が加熱用なら自己判断で生食しないのが安全です。豆知識として、血合いは時間が経つと酸化して褐色に変わりますが、これは必ずしも腐敗ではないものの、加熱用であることに変わりはありません。表示を守って調理することが、美味しく安全に楽しむ大前提です。食品の安全に不安がある場合は無理をしないでください。

⚠️ 注意:加熱用と生食用の表示を必ず守る

スーパーの血合いは「加熱用」として売られていることが多く、その場合は必ず火を通してください。見た目が新鮮そうでも、加熱用を自己判断で生食するのは避けましょう。鮮度が落ちて異臭やぬめりがあるものは食べないこと。体調に不安があるときは医療機関にご相談ください。

白身・赤身・青魚で変わる血合いとの付き合い方

血合いとの付き合い方は、魚のタイプによって変えるのがコツです。結論を先に言うと、血合いの少ない白身魚はそのまま気にせず、血合いの多い赤身・青魚は下処理や加熱で活かすのが基本方針。理由は、魚種ごとに血合いの量と風味の強さが違うからです。具体的には、タイやカレイなどの白身魚は血合いがわずかなので刺身でもほぼ気になりません。マグロやカツオなどの赤身魚は血合いを加熱料理に回すとお得。サバやイワシなどの青魚は血合いが多く傷みやすいので、買ったその日に下処理して味噌煮や竜田揚げにするのがおすすめです。注意点として、季節も意識したいところ。脂がのる旬の青魚は血合いの旨味も濃くなります。状況に応じて使い分ければ、どんな魚も無駄なく楽しめます。

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知って得する血合いの雑学|「茜身」という新しい名前

最後に、人に話したくなる血合いの雑学を紹介します。新しい名前の誕生から、よくある誤解まで。知っておくと、魚を食べるのがもっと楽しくなる話ばかりです。

実は2024年に「茜身(あかねみ)」という新名称が誕生した

意外と知られていませんが、マグロの血合肉には2024年に「茜身(あかねみ)」という新しい名前が付けられました。これは、マグロの一大産地である神奈川県三浦市の三浦商工会議所と「まぐろ未病改善効果研究会」が、2024年10月24日に発表したものです。理由は、「血合い」という言葉が持つ赤黒くて敬遠されがちなイメージを一新し、栄養豊富な部位として広めるため。具体的には、全国からの応募総数2583件の中から選ばれ、「白身でも赤身でもない第三の色として茜色を選び、健康のイメージと重ねた」という意図が込められています。豆知識として、「肉」ではなく「身」と表現したのも、やわらかく親しみやすい印象を狙ってのこと。スーパーでいつか「茜身」という表示を見かけたら、それはマグロの血合いのこと。話のタネにぜひ覚えておいてください。

人間の体にも血合いに似た「赤い筋肉」がある

実は、血合いに似た仕組みは人間の体にもあります。私たちの筋肉にも、持久力に優れた「赤筋(遅筋)」と瞬発力に優れた「白筋(速筋)」があり、これは魚の血合肉(持久力)と普通肉(瞬発力)の関係とよく似ています。赤筋が赤いのも、魚の血合いと同じくミオグロビンを多く含むからです。具体例として、マラソン選手は赤筋が発達し、短距離走者は白筋が発達する傾向があるといわれます。つまり、マグロは生まれながらのマラソンランナー、ヒラメは短距離スプリンターのような体つきというわけです。豆知識として、こうして魚と人間を並べて考えると、血合いという部位がぐっと身近に感じられます。生き物の体は、泳ぎ方や暮らし方に合わせて筋肉の作りまで違っている——血合いはそれを教えてくれる興味深い部位なのです。

「血合いが黒い=鮮度が悪い」とは限らない

「血合いが黒っぽい=古い魚」と思っている人は多いですが、これは必ずしも正しくありません。血合いの赤い色素ミオグロビンは、空気に触れると酸化して褐色(メト化)に変わる性質があります。つまり、切ってから時間が経つと、鮮度がそこそこでも血合いは自然と茶色っぽくなるのです。具体例として、サクで買ったマグロの血合いが翌日には黒ずんでいた、というのはよくあること。見分け方のコツは、色だけで判断しないこと。色に加えて、ぬめり・糸を引く・ツンとした異臭があるかどうかをあわせて確認します。注意点として、変色とともに明らかな腐敗臭やぬめりがある場合は鮮度低下なので食べないこと。逆張りの視点ですが、「黒いから即ダメ」と切り捨てず、状態を総合的に見て判断するのが、魚を無駄にしないコツです。

Q. 血合いは食べないほうがいいのですか?
A. 鮮度がよく、適切に下処理・加熱した血合いは栄養豊富な食材として活用できます。鉄分やDHA、ビタミンB群が豊富なので、竜田揚げや生姜煮などの加熱料理で取り入れるのがおすすめです。ただし「加熱用」表示のものは生食を避け、鮮度が落ちて異臭やぬめりがあるものは食べないようにしましょう。体調に不安がある場合は医療機関にご相談ください。

まとめ|血合いとは魚の暗赤色の筋肉で栄養の宝庫

血合いとは、魚の身の中央を走る暗赤色の筋肉のことで、「血のかたまり」ではありません。酸素をためるミオグロビンを多く含む持久力タイプの筋肉で、長く泳ぎ続ける回遊魚ほど発達します。だからこそマグロやカツオ、サバといった赤身魚・青魚には血合いが多く、待ち伏せ型の白身魚には少ないのです。生臭さから敬遠されがちですが、正しく下処理すれば鉄分・DHA・EPA・セレノネインなどを含む栄養の宝庫として、毎日の食事に活かせます。捨てるか活かすかで、魚一匹から得られる栄養は大きく変わります。

📌 この記事の要点

・血合いは血のかたまりではなく、暗赤色の「筋肉」
・赤黒い色の正体は酸素をためるミオグロビンという色素タンパク質
・量は魚種で違い、真サバ35%以上・マグロ15%以上、白身魚は数%
・鉄分・DHA・EPA・タウリン・セレノネインを含む栄養の宝庫
・生臭さの原因はトリメチルアミン。冷水の血抜き+霜降りで抑えられる
・加熱用表示のものは火を通す。竜田揚げ・生姜煮・ヅケが定番
・2024年にマグロの血合肉は「茜身(あかねみ)」と名付けられた

まずは次にスーパーへ行ったとき、マグロのサクやサバの切り身の真ん中にある赤黒い部分を、これまでとは違う目で見てみてください。「加熱用」の血合いがお得に並んでいたら、竜田揚げや生姜煮にチャレンジする絶好のチャンスです。下処理のひと手間で、捨てていた部位が栄養たっぷりの一品に変わります。なお、食品の安全や体調に不安を感じた場合は無理をせず、医療機関に相談してください。最新の情報は水産庁などの公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

魚の種類・生態・食べ方を日々研究している魚好き。スーパーで見かける身近な魚から、釣り人にしか馴染みのない魚まで幅広くカバー。「この魚ってどう食べるの?」という疑問に答える、魚の図鑑のようなメディアを目指しています。

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