青物とは背の青い回遊魚の総称|御三家の見分け方と青魚との違いを丸ごと解説

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スーパーの鮮魚コーナーや釣り仲間との会話で「今日は青物が安いね」「青物が回ってきた」と耳にして、なんとなくブリやアジを思い浮かべるけれど、結局どこからどこまでが青物なのか、はっきり説明できない方は多いのではないでしょうか。青魚という言葉とも似ていて、余計にややこしく感じます。

結論から言うと、青物とは「背中が青く、表層を群れで回遊する魚」のゆるやかな総称です。厳密な学術上の定義はなく、釣りの世界ではブリ・ヒラマサ・カンパチといった大型魚を、食卓ではアジやサバを含めた青魚とほぼ同じ意味で使われます。見た目は青く光るのに、身は赤身に分類されるという面白い特徴も持っています。

この記事では、青物の正体と青魚との違いを整理したうえで、青物御三家の見分け方、種類ごとに大きく異なる旬、100gあたりのDHA・EPAといった栄養数値、おいしい食べ方や保存の注意点まで、魚好きの友人に教わる感覚でまるごと解説します。読み終えるころには、鮮魚売り場で青物を選ぶ目が変わっているはずです。

📌 この記事でわかること

・青物とは何を指す言葉か、青魚との違い
・青物御三家ブリ・ヒラマサ・カンパチの見分け方
・種類で全然違う旬と、100gあたりの栄養数値
・刺身・照り焼きの食べ方と買うときの注意点

目次

青物とは何を指す?回遊する大型魚をまとめた呼び名

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まずは青物という言葉の正体から押さえましょう。ひとことで言えば「背の青い回遊魚の総称」ですが、使う場面によって指す範囲が少しずつ変わるのがポイントです。

青物に厳密な定義はない|背の青い回遊魚のゆるい総称

青物とは、イワシ・アジ・サバといった「背の青い魚」をまとめて呼ぶ言葉で、青魚(あおざかな)とほぼ同じ意味です。実は学術的にきっちり線引きされた分類ではなく、日本の食文化のなかで生まれた便宜上の呼び方にすぎません。共通点は、多くが表層近くを群れで泳ぎ、長い距離を回遊することです。スーパーで「青物」と書かれていたら、まずは背中が青光りする回遊性の魚だと考えれば外しません。線引きが曖昧なぶん、地域や売り場によって含める魚が違うのも、この言葉の特徴です。

釣りでの青物は大型魚|ブリ・ヒラマサ・カンパチが主役

同じ青物でも、釣りの世界ではぐっと意味が狭まります。釣り人が「青物」と言うとき、アジやサバのような小魚ではなく、ブリ・ヒラマサ・カンパチ、ときにはマグロやカジキまで含む大型の回遊魚を指すのが一般的です。理由は、これらが青物御三家と呼ばれる人気のルアーターゲットで、引きの強さが釣りの花形だからです。だから磯や堤防で「青物が回ってきた」と言えば、足元にブリやカンパチの群れが入ってきたという意味になります。同じ言葉でも、台所と釣り場では主役の魚がまるで違うと覚えておくと会話がかみ合います。

青物が赤身に分類される理由|回遊で鍛えた筋肉の色

意外に思われるかもしれませんが、青く光る青物の多くは「赤身魚」に分類されます。これは身の色を決めるミオグロビンという色素タンパク質の量で決まります。青物は広い海を高速で泳ぎ回るため、筋肉に大量の酸素を蓄える必要があり、酸素を貯めるミオグロビンが多くなります。その結果、身が赤みを帯びるのです。マグロやカツオの身が真っ赤なのも同じ理屈です。見た目の背中の色(青)と、身の分類(赤身)は別物だと分けて考えると、魚の分類がすっきり理解できます。

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青物は栄養と引きの両方で人気|食卓と釣りの花形

青物がこれだけ親しまれているのは、おいしさと釣りの面白さを兼ね備えているからです。脂がのった身はDHA・EPAが豊富で、刺身でも焼いても食べ応えがあります。一方で回遊魚らしい力強い引きは、釣り人にとって何ものにも代えがたい魅力です。注意点として、青物は鮮度の落ちが比較的早く、特に血合いの多い種類は時間が経つと臭みが出やすい傾向があります。買ったその日に食べきるか、すぐ下処理して冷蔵・冷凍するのが、青物をおいしく味わうコツです。

青物御三家ブリ・ヒラマサ・カンパチの見分け方

青物の代表格といえば、なんといってもブリ・ヒラマサ・カンパチの御三家です。3種ともアジ科ブリ属でよく似ていますが、見分けるポイントを知ればスーパーでも判別できます。

ブリは北方系の出世魚|最大1m超で冬が本番

ブリは御三家のなかで唯一の北方系で、最大1mを超える大型魚です。成長とともに名前が変わる出世魚で、関東ではワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、関西ではツバス→ハマチ→メジロ→ブリと呼び名が変わります。見分けの決め手は、口の角(口角)が角張っていること、体側の黄色いラインがはっきりしていることです。旬は12〜2月で、この時期の「寒ブリ」は脂がのって別格の味わいになります。スーパーでは養殖のハマチも一年中並びますが、天然の寒ブリは冬限定の楽しみです。

ヒラマサは夏が旬の南方系|平たい体と丸い口角

ヒラマサは「平政」と書くとおり、ブリより体が平たく細身なのが特徴です。御三家のなかでは南方系で、旬は6〜9月の夏。ブリが冬の魚なのに対し、ヒラマサは夏に脂がのるので、季節で使い分けると一年中おいしい青物が楽しめます。見分けるなら口角を見てください。ブリが角張っているのに対し、ヒラマサは口角が丸みを帯びています。また胸ビレの上を走る黄色い帯にビレが重なるのもヒラマサ側の特徴です。大きいものは2mに迫る個体もいる、御三家随一の大型種です。

カンパチは目の間の八の字|名前の由来が見分けの鍵

カンパチの見分けは、御三家のなかで最もわかりやすいです。頭を正面から見ると、両目の間からおでこにかけて「八」の字に見える濃い帯が走っています。これが「間八(カンパチ)」という名前の由来です。体色も3種のなかでは黄色みが強く、温かみのある色合いをしています。本州以南の温帯から熱帯に分布し、水深20〜70mあたりを回遊します。旬は夏から秋。御三家のなかでは高級とされ、刺身にすると上品な甘みとコリッとした歯ごたえが楽しめます。スーパーで八の字を見つけたら、それはカンパチです。

比較項目 ブリ ヒラマサ カンパチ
体型 太い紡錘形 平たく細身 やや細め
口角の形 角張る 丸い 丸い
特徴 黄色い体側線 黄帯にビレが重なる 目の間に八の字
12〜2月(冬) 6〜9月(夏) 夏〜秋

3種をまとめて見分けるコツ|口角と模様の二段構え

御三家を一発で見分けるなら、「口角→模様」の二段構えで見るのがおすすめです。まず口の角が角張っていればブリ、丸ければヒラマサかカンパチに絞れます。次に顔を見て、目の間に八の字模様があればカンパチ、なければヒラマサと判断できます。さらに体色で、黄色みが強ければカンパチ寄りと裏付けが取れます。注意点は、近年ブリとヒラマサの交雑種(ブリヒラ)も流通していて、特徴が中間的になる個体があることです。迷ったら一つの特徴で断定せず、複数のポイントを合わせて見るのが確実です。

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青物とは青魚とどう違う?混同されやすい2語を整理

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青物とよく似た言葉に「青魚」があります。ほぼ同じ意味で使われますが、ニュアンスに違いがあるため、ここで一度すっきり整理しておきましょう。

青物と青魚はほぼ同義|どちらも背の青い魚

結論として、青物と青魚は基本的に同じものを指します。どちらも「背中が青い魚」の総称で、明確な線引きはありません。あえて違いを挙げるなら、青魚は栄養や食材としての文脈で使われることが多く、青物は釣りや市場で使われることが多い、という使われ方の傾向の差です。だからアジを「青魚」と呼んでも「青物」と呼んでも間違いではありません。どちらも学術的な分類名ではなく、生活のなかで育った呼び方だと理解しておけば、混乱せずに済みます。

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分類学上のまとまりではない|便宜的なグループ分け

青物・青魚は、生物の分類学でいう「科」や「属」のようなまとまった集団ではありません。実際、御三家のブリ・ヒラマサ・カンパチはアジ科、サバやカツオ・サワラはサバ科、イワシはニシン科と、所属する科がバラバラです。それでもひとくくりにされるのは、背が青い・回遊する・身が締まっているといった見た目や肉質の共通点で便宜的にまとめているからです。つまり青物とは、台所や市場の都合で生まれた実用的なグループ分けであって、図鑑の分類とは別物だと考えるのが正確です。

マグロは青物に入る?文脈で変わる線引き

「マグロは青物なのか」という疑問はよく聞かれます。答えは文脈次第です。マグロも背が青く、高速で回遊する赤身魚なので、広い意味では青物・青魚の仲間に入れられます。実際、釣りの世界ではマグロやカジキを青物に含めることがあります。一方で、日常会話で青魚といえばアジ・サバ・イワシをイメージする人が多く、マグロは別格に扱われがちです。注意したいのは、どちらが正解という話ではない点です。言葉の範囲が場面で伸び縮みするのが青物という呼び名なので、相手がどの意味で使っているかを読み取るのが大切です。

Q. イワシやサンマも青物に入りますか?
A. はい、食材としての文脈では入ります。イワシ・サンマ・アジ・サバはいずれも背の青い回遊魚で、青魚(青物)の代表格です。ただし釣りで「青物」と言う場合は、これらの小型魚ではなくブリやカンパチなどの大型魚を指すことが多く、場面によって含める範囲が変わります。

数字で見る青物の栄養|DHA・EPAは種類で大違い

青物が体にいいと言われる理由は、DHAやEPAといった魚の脂にあります。ただし、その量は種類によって大きく差があります。具体的な数値で見ていきましょう。

寒ブリは脂の塊|100gあたりDHA・EPAたっぷり

青物のなかでもブリは脂の多さが際立ちます。日本食品標準成分表ベースでブリ(生)は100gあたり222kcal、たんぱく質21.4g、脂質17.6gです。DHAとEPAを合わせると約2640mgと、青魚のなかでもトップクラスの含有量です。特に旬の寒ブリは脂がのり、DHAは約1500mg、EPAは約1000mg程度に達するとされます。これらの脂は刺身で食べると効率よく摂れます。注意点は、脂が多いぶんカロリーも高めなので、食べ過ぎには気をつけたいところです。栄養と引き換えに、ブリは青物のなかではこってり系だと覚えておきましょう。

カンパチ・ヒラマサはあっさり高たんぱく|夏向きの青物

同じ御三家でも、カンパチとヒラマサはブリと対照的にあっさりしています。カンパチは100gあたり119kcal、たんぱく質21.9g、脂質4.2g、DHA730mg・EPA190mg。ヒラマサは128kcal、たんぱく質22.6g、脂質4.9gと、いずれも低脂質で高たんぱくです。脂質がブリの4分の1程度しかないので、さっぱりした刺身が好きな人や、脂のしつこさが苦手な人に向いています。旬が夏のこの2種は、暑い時期でも食べやすい青物です。こってりのブリ、あっさりのカンパチ・ヒラマサと、好みや季節で使い分けるのが青物上手への第一歩です。

サバは安くてDHAの宝庫|100gあたりDHA970mg

身近で手頃な青物の代表がサバです。マサバ(生)は100gあたり211kcal、たんぱく質20.6g、脂質16.8g、EPA690mg・DHA970mgと、価格のわりにDHA・EPAがしっかり摂れる優等生です。旬は9〜10月で、この時期の秋サバは脂がのって格別です。塩焼きや味噌煮、しめさばと食べ方の幅が広いのも魅力です。ただしサバは「サバの生き腐れ」と言われるほど鮮度が落ちやすく、傷むとヒスタミンが生成されやすい点には注意が必要です。買ったらできるだけ早く調理し、生食は鮮度と冷凍管理に気をつけましょう。

📊 主な青物の栄養比較(可食部100gあたり・さかなのさ調べ)
魚種 カロリー たんぱく質 脂質
ブリ222kcal21.4g17.6g
カンパチ119kcal21.9g4.2g
ヒラマサ128kcal22.6g4.9g
マサバ211kcal20.6g16.8g

出典:日本食品標準成分表ベースの公開データより作成。個体・季節・天然/養殖で変動します。

DHA・EPAは生で摂るのが効率的|加熱で流れ出る脂

青物の脂を効率よく摂りたいなら、刺身など生で食べるのがおすすめです。DHA・EPAは熱に弱く、焼いたり煮たりすると脂と一緒に溶け出して、せっかくの成分が流れ落ちてしまうからです。どうしても加熱したい場合は、ホイル焼きや煮汁ごと食べる煮付けのように、流れ出た脂を逃さない調理法を選ぶと無駄がありません。逆張りのようですが、栄養面だけ見れば「青物は焼くより生」が基本です。とはいえ生食は鮮度管理が大前提なので、信頼できる鮮度のものを選び、心配なら無理をせず加熱して楽しみましょう。

青物はいつが旬?種類でガラリと変わる旬カレンダー

青物の旬は「冬」と思われがちですが、それはブリの話。青物全体で見ると、種類によって旬は一年中に散らばっています。季節ごとの主役を知っておきましょう。

冬が本番の青物|寒ブリと寒鰆が脂をまとう

冬に旬を迎える青物の筆頭がブリです。12〜2月の寒ブリは産卵に備えて脂を蓄え、とろけるような口当たりになります。富山や石川など日本海側の寒ブリはブランド化され、冬の食卓を彩ります。同じく冬が旬とされるのが、関東で寒鰆(かんざわら)と呼ばれるサワラです。サワラはサバ科の出世魚で、地域によって旬が分かれ、関西では春、関東では脂ののった冬が好まれます。寒い季節は脂のりが青物選びの決め手になるので、こってりした味わいを求めるなら冬の青物がねらい目です。

夏が旬の青物|ヒラマサとカンパチが食べごろ

「青物は冬」という思い込みを覆すのが、夏に旬を迎えるヒラマサとカンパチです。ヒラマサの旬は6〜9月、カンパチは夏から秋にかけてで、暑い季節にこそ脂がのります。どちらもあっさりした白っぽい身で、夏でも食べやすい刺身になります。冬のこってりブリに対し、夏はさっぱりヒラマサ・カンパチ、と季節で御三家を使い分けると、一年を通して青物を最高の状態で楽しめます。スーパーで夏にカンパチを見かけたら、それは旬まっただ中のおいしい時期だと考えてよいでしょう。

カツオは年2回が旬|初ガツオと戻りガツオ

青物のなかでもカツオは、一年に二度旬が来るちょっと得な魚です。春から初夏の「初ガツオ」は赤身が締まってさっぱりした味わい、秋の「戻りガツオ」は産卵に備えて脂をたっぷり蓄え、初ガツオの数倍もの脂質になるといわれます。DHA・EPAをしっかり摂りたいなら、脂ののった戻りガツオが狙い目です。同じカツオでも季節で味がまるで違うので、さっぱり派は春、こってり派は秋と選べます。タタキにして薬味と合わせれば、青物特有の風味も和らいで食べやすくなります。

🗓 主な青物の旬カレンダー(ブリ)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

◎=最旬(寒ブリ) ○=美味しい △=出回るが旬ではない

養殖ハマチは一年中|旬がなくても安定のおいしさ

天然の青物は旬がはっきりしている一方で、養殖物は一年を通して安定して楽しめます。代表が養殖のハマチ(ブリの若魚)で、エサで脂のりを管理しているため、季節を問わず一定の品質で出回ります。養殖ハマチ(生)は100gあたり217kcal、たんぱく質20.7g、脂質17.2gと、天然ブリに近い脂のりがあります。注意点は、養殖物は脂が安定して多いぶん、天然物のような季節ごとの味の変化は楽しみにくいことです。旬の天然物を味わいたいなら冬の寒ブリ、いつでも安定した脂を求めるなら養殖ハマチ、と目的で選び分けましょう。

青物をおいしく食べるコツ|刺身から照り焼きまで

青物は調理の幅が広いのが魅力です。生でも焼いても煮ても楽しめますが、種類や脂のりに合わせて調理法を選ぶと、ぐっとおいしくなります。下処理のコツとあわせて見ていきましょう。

脂ののった青物は刺身が王道|厚めに引いて味わう

脂がのった青物は、まず刺身で味わうのがおすすめです。寒ブリやカンパチのような身がしっかりした青物は、やや厚めに切ると噛んだときの旨みと脂が口に広がります。包丁は刃元から刃先まで一気に引くようにして、断面をなめらかに仕上げると舌触りが良くなります。あっさりしたヒラマサやカンパチは薄めに、こってりしたブリは厚めに、と脂のりで切り方を変えるのがコツです。注意点は、刺身は鮮度がすべてということ。ドリップ(赤い汁)が出ているものは避け、買ったその日のうちに食べきるのが安心です。

あっさり青物は照り焼き・ぶり大根で|加熱で旨み凝縮

刺身で余ったり、少し鮮度が気になったりする青物は、加熱料理にすると安心しておいしく食べられます。ブリなら定番の照り焼きやぶり大根、サバなら味噌煮や塩焼きが王道です。照り焼きは、塩を振って出てきた水分を拭き取ってから焼くと、臭みが抜けて身がふっくら仕上がります。煮付けにする場合は、煮汁ごと食べればDHA・EPAも逃しません。あっさりしたカンパチやヒラマサのアラは、潮汁にすると上品なだしが出ます。青物は捨てるところが少なく、アラまで使い切れるのも家計にうれしいポイントです。

血合いの臭みを抑える下処理|塩と霜降りでひと手間

青物特有の気になる臭みは、血合いと余分な水分が原因です。これを抑えるには下処理がものを言います。切り身なら焼く前に塩を振って10分ほど置き、出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取ります。これだけで生臭さがぐっと減ります。さらに気になるときは、熱湯を回しかけてすぐ氷水に取る「霜降り」をすると、表面の血やぬめりが落ちて澄んだ味になります。失敗例として、血合いをそのままに常温で長く置くと、臭みが身全体に回ってしまいます。青物はスピード勝負。買ったら早めに下処理して、臭みのもとを断つのが鉄則です。

🔪 青物(ブリ)の柵取りの手順
Step1:ウロコと頭を落とす(胸ビレの後ろから斜めに包丁を入れる)
Step2:腹を開いて内臓を取り、血合いを流水で洗う
Step3:頭を左・背を手前に置き、中骨に沿って三枚におろす
Step4:腹骨をすき取り、血合い骨を抜いて皮を引く
完成! 刺身用の柵になります。包丁を寝かせ過ぎると中骨に身が残るので注意

さばきの失敗あるある|包丁が寝て中骨に身が残る

青物を三枚におろすとき、初心者がやりがちな失敗が「中骨に身がごっそり残る」ことです。原因は、包丁の角度が寝すぎていること。刃が中骨の上を滑らず、骨の下に潜り込んでしまうために起きます。対策は、中骨の存在を刃先で感じながら、骨の真上をなでるように包丁を進めることです。背側・腹側から浅く切り込みを入れてから中骨に沿わせると、身を残さずきれいにおろせます。大きな青物ほど中骨も太いので、一気に切ろうとせず、数回に分けて刃を入れるのが成功のコツです。慣れるまでは焦らず、骨に沿わせる感覚を優先しましょう。

青物を買う・保存するときの注意点

青物はおいしい反面、鮮度が落ちやすく扱いに少しコツがいる魚です。買うときの見分け方と、安全に食べるための保存・寄生虫対策を押さえておきましょう。

鮮度のいい青物の見分け方|目・エラ・血合いを見る

新鮮な青物を選ぶには、見るべきポイントが決まっています。一尾なら、目が澄んで盛り上がっているもの、エラが鮮やかな赤色のものが新鮮です。体表にハリとツヤがあり、青光りがくっきりしているものを選びましょう。切り身の場合は、血合いの色が鮮やかな赤で、身が透明感を保っているものが目安です。逆に、血合いが茶色っぽく変色していたり、ドリップがトレーに溜まっていたりするものは鮮度が落ちています。青物は時間との勝負なので、買うときの見極めがそのままおいしさを左右します。少し高くても鮮度のよいものを選ぶのが結局は満足度が高いです。

青物の保存は冷蔵より下処理が先|早めの冷凍も有効

青物を持ち帰ったら、すぐに下処理をしてから保存するのが鉄則です。内臓やエラは傷みのもとなので、その日に食べないなら早めに取り除きます。切り身は水分を拭き取り、ラップで包んでチルド室へ。数日内に食べきれないときは、一切れずつラップして冷凍すると鮮度を保ちやすくなります。失敗例として、刺身用に買った青物をトレーのまま常温で2時間ほど放置すると、ヒスタミンが生成されやすくなり、食中毒のリスクが上がります。特にサバやブリなど赤身の強い青物は要注意です。買い物帰りは寄り道せず、保冷剤と一緒に持ち帰りましょう。

⚠️ 青物の生食とアニサキスについて

ブリやサバなどの青物には、アニサキスという寄生虫がいることがあります。一般的な予防策は、目視でよく確認すること、中心まで十分に加熱すること、生食する場合は厚生労働省が示す条件(一般家庭では−20℃で24時間以上などが目安)で冷凍することです。体調に不安があるときや、激しい腹痛などの症状が出た場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。

青物の寄生虫対策|加熱・冷凍・目視の基本

青物を安全に楽しむには、アニサキスへの基本対策を知っておくことが大切です。アニサキスは内臓に多く、鮮度が落ちると身のほうへ移動する性質があるため、買ったら早めに内臓を取り除くのが第一歩です。生で食べる前には、身をよく目視して白い糸状のものがいないか確認します。確実なのは加熱と冷凍で、十分な加熱や、家庭用冷凍庫での冷凍が一般的な予防策とされています。鮮度がよければ寄生虫は心配ない、という考え方は誤りなので注意してください。心配な場合や体調に異変を感じた場合は、医療機関を受診しましょう。安全あってのおいしさです。

まとめ|青物とは背の青い回遊魚、種類で旬も味も変わる

青物とは、背中が青く表層を群れで回遊する魚のゆるやかな総称で、青魚とほぼ同じ意味です。学術的な分類ではなく、台所や市場、釣り場で育った便宜的な呼び名なので、使う場面によって指す範囲が伸び縮みします。釣りではブリ・ヒラマサ・カンパチといった大型魚を、食卓ではアジ・サバ・イワシなどを含めて呼ぶのが一般的でした。見た目は青いのに身は赤身に分類されるという、回遊魚ならではの面白さも持っています。

種類ごとに旬も栄養も大きく違うので、季節と好みで選び分けるのが青物上手への近道です。最後に要点を振り返っておきましょう。

  • 青物=背の青い回遊魚の総称。青魚とほぼ同義で、厳密な定義はない
  • 釣りでは大型魚(ブリ・ヒラマサ・カンパチ等)、食卓では青魚全般を指す
  • 御三家は「口角→八の字模様」の二段構えで見分けられる
  • ブリは冬・脂多め、ヒラマサとカンパチは夏・あっさり高たんぱく
  • DHA・EPAはブリやサバに豊富で、生で食べると効率よく摂れる
  • 鮮度が落ちやすいので、早めの下処理と冷蔵・冷凍が必須
  • 生食時はアニサキス対策(目視・加熱・冷凍)を忘れずに

まずは次にスーパーへ行ったとき、鮮魚コーナーで青物を手に取り、口角の形や目の間の模様を見比べてみてください。御三家を見分けられるようになると、その日の旬や脂のりまで想像できて、魚選びがぐっと楽しくなります。季節の青物を、いちばんおいしいタイミングで味わってみましょう。なお、食品の安全性に不安がある場合や体調に異変を感じたときは、無理をせず医療機関にご相談ください。最新の旬や栄養の情報は、水産庁や公的機関のサイトでもご確認いただけます。

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この記事を書いた人

魚の種類・生態・食べ方を日々研究している魚好き。スーパーで見かける身近な魚から、釣り人にしか馴染みのない魚まで幅広くカバー。「この魚ってどう食べるの?」という疑問に答える、魚の図鑑のようなメディアを目指しています。

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