バフンウニの由来は馬の糞だった|漢字の意味・他のウニとの違い・旬と食べ方まで全解説

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「バフンウニ」という名前を初めて聞いたとき、「え、馬の糞?」と驚いた方は多いのではないでしょうか。高級寿司ネタの代名詞ともいえるウニに、なぜそんな名前がついたのか、気になりますよね。結論からいうと、バフンウニの名前は見た目の形がそっくりだったことに由来しています。ただ、名前の由来を知るだけでは「バフンウニって結局どんなウニなの?」という疑問は解消しません。この記事では、バフンウニの名前の由来はもちろん、漢字表記に隠された意味、エゾバフンウニやムラサキウニとの違い、旬の時期や産地、おいしい食べ方まで、バフンウニのすべてを丸ごと解説します。読み終わるころには、お寿司屋さんでウニを注文するのがもっと楽しくなるはずです。

📌 この記事でわかること

・バフンウニの名前が「馬糞」に由来する理由と漢字表記の意味
・エゾバフンウニ・ムラサキウニとの見た目・味・旬の違い
・バフンウニの旬カレンダーと産地ごとの食べごろ時期
・濃厚な甘みを最大限に味わうおすすめの食べ方

目次

バフンウニの由来は「馬の糞」|見た目がそっくりだった

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名前の正体は形の類似──短い棘と暗緑色がカギ

バフンウニの名前は、馬の糞(馬糞・ばふん)に形が似ていることに由来しています。殻径約4cm、殻高約2cmと小ぶりで、全体が潰れたまんじゅうのように扁平な形をしています。ここに5mm程度の短い棘がびっしりと密生し、体色は暗緑色。この「丸くて平たい暗緑色のかたまり」が、かつて道端でよく見かけた馬の糞に似ていたわけです。実際に磯で見つけると「なるほど」と納得する方が多く、一度知ると忘れられない名前の由来です。味は濃厚で甘みが強い高級食材なのに、見た目で損をしている代表格かもしれません。

江戸時代から使われていた?「バフンウニ」の呼び名の歴史

バフンウニという名前が文献に登場するのは江戸時代の本草書にさかのぼるとされています。当時は馬が主要な交通手段で、街道には馬糞が転がっている光景が日常的でした。そのため「馬糞に似たウニ」という呼び方は、当時の人々にとって直感的でわかりやすい命名だったのです。現代では馬糞を見る機会はほとんどありませんが、名前だけがそのまま残りました。学名は「Hemicentrotus pulcherrimus」で、「pulcherrimus」はラテン語で「最も美しい」という意味です。和名は馬糞、学名は最も美しい──このギャップが、バフンウニの面白いところです。

地方によって呼び名が違う?「ガゼ」「ガンゼ」「カゼ」の正体

バフンウニは地域によってさまざまな呼び名を持っています。西日本では「ガゼ」「ガンゼ」と呼ばれることが多く、高知県や愛媛県の漁師さんの間では日常的に使われています。また、山口県や島根県では「カゼ」と呼ぶ地域もあります。これらの方言名は「殻(がら)」や「ガゼ(棘皮動物の古語)」に由来するとされ、バフンウニに限らずウニ全般を指す場合もあります。スーパーや鮮魚店で「ガゼウニ」と書かれていたら、バフンウニである可能性が高いので覚えておくと役立ちます。

名前は残念でも味は一級品──由来を知ると愛着がわく

「馬糞」と聞くと食欲が失せそうですが、実際のバフンウニの身は濃いオレンジ色で、口に入れた瞬間に広がる濃厚な甘みとコクは格別です。名前の由来を知ったうえで食べると、むしろ「この見た目からは想像できない味だ」というギャップが楽しめます。お寿司屋さんや旅先で「バフンウニ」と表記されていたら、由来を思い出しながらぜひ味わってみてください。見た目で名前をつけられた不遇の高級食材──それがバフンウニの魅力です。

漢字で書くと「馬糞雲丹」|「雲」と「丹」に隠された意味

「海胆」「海栗」「雲丹」──ウニの漢字が3種類ある理由

ウニを漢字で書くと「海胆」「海栗」「雲丹」の3種類があります。「海胆」は生きた状態のウニそのものを指し、「胆」は内臓(きも)の意味で、殻の中に詰まった生殖巣が内臓のように見えることに由来します。「海栗」は棘だらけの見た目が栗のイガに似ていることから。そして「雲丹」は加工された可食部を指す表記です。スーパーで「うに」と「雲丹」が使い分けられているのを見かけたら、加工品かどうかの違いだと思ってください。バフンウニの場合、生きた状態なら「馬糞海胆」、可食部なら「馬糞雲丹」と書き分けます。

「雲」は集まる、「丹」は赤い──可食部の見た目そのまま

「雲丹」という漢字には、ウニの可食部の特徴がそのまま込められています。「雲」には「集まる」という意味があり、「丹」には「赤い」という意味があります。つまり「雲丹」は「赤いものが集まっている」という意味で、ウニの殻を割ったときに見えるオレンジ色の生殖巣がぎっしり集まっている様子を表しているのです。バフンウニの身は特に濃いオレンジ色をしているため、「丹(赤い)」の字がぴったりです。漢字の成り立ちを知ると、先人たちの観察力の鋭さに感心させられます。

「馬糞」の漢字表記が正式名称として定着した背景

生き物の和名には、見た目や生態をそのまま名前にしたものが数多くあります。バフンウニもその一つで、「馬糞海胆」という表記は図鑑や学術論文でも正式に使われています。似たような命名パターンとしては「オニヒトデ(鬼海星)」「ナマコ(海鼠)」などがあり、どれも見た目の特徴をストレートに反映しています。近年では飲食店のメニューで「バフンウニ」とカタカナ表記にするケースが増えていますが、これは「馬糞」という漢字が食欲に影響するのを避ける配慮でしょう。名前の由来を知っていると、メニューの表記一つとっても楽しめます。

Q. なぜ高級食材なのに「馬糞」という名前のままなの?
A. 生物の標準和名は一度定着すると変更されにくい慣習があるためです。学術的な分類名と食品としての流通名は別で、回転寿司では「ウニ」とだけ表記されることが多く、「馬糞」の字が消費者の目に直接触れる機会は限られています。

バフンウニの見た目と生態|磯で見つけたら観察してみよう

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殻径4cm・棘5mm──タワシのような小さなウニ

バフンウニは殻径約4cm、殻高約2cmと、食用ウニの中ではかなり小ぶりです。全体に扁平で、上から見ると丸く、横から見ると潰れたまんじゅうのような形をしています。棘の長さは5mm程度と短く、密生している様子はよく「タワシ」にたとえられます。体色は暗緑色で、棘の先端がやや褐色がかっている個体もいます。磯遊びの際に岩場をよく見ると、岩のくぼみにぴったりとはまり込んでいるバフンウニを見つけることができます。ムラサキウニのように長い棘が目立つウニとは印象がかなり異なります。

🐟 バフンウニ スペックカード
分類カマロドンタ目オオバフンウニ科バフンウニ属
3月〜4月(地域により7〜8月)
大きさ殻径約4cm・殻高約2cm
生息域北海道南部〜九州の岩礁地帯(水深約20mまで)
味の特徴濃厚な甘みとコク、オレンジ色が濃い
おすすめ調理法生食(寿司・刺身)、蒸しウニ、焼きウニ

岩礁にへばりつく暮らし──水深20mまでの浅い海が住処

バフンウニは北海道南部から九州にかけての沿岸部、さらに朝鮮半島南部にも分布しています。生息域は水深約20mまでの浅い岩礁地帯で、潮間帯(潮の満ち引きで海面が上下する範囲)にも多く見られます。岩の表面やくぼみにへばりつくように生活し、管足(かんそく)と呼ばれる細い吸盤状の器官で体を固定しています。移動速度は1時間に数メートル程度と遅く、基本的には同じ場所にじっとしていることが多い生き物です。干潮時に磯を歩くと、タイドプールの岩肌にくっついているバフンウニを肉眼で確認できます。

昆布が大好物──エサが身の味を左右する

バフンウニの主なエサは昆布やワカメなどの海藻類です。ウニの口は体の裏側(下面)にあり、「アリストテレスの提灯」と呼ばれる5本の歯を持つ独特の器官で海藻を削り取るように食べます。食べる海藻の種類によって身の味が変わるのがウニの面白いところで、良質な昆布を食べて育ったバフンウニは特に甘みと旨みが強くなります。これはアラニンやグリシンといったアミノ酸、さらに昆布由来のグルタミン酸やアスパラギン酸が豊富に蓄積されるためです。産地によって味が異なるのは、生息域に生えている海藻の違いが大きく影響しています。

産卵は冬から春──1〜4月の繁殖期を知っておこう

バフンウニの産卵期は1〜4月頃です。この時期になると成熟した個体が放精・放卵を行い、受精卵は海中を漂いながらプルテウス幼生へと成長します。食用として重要なのは、産卵期の「直前」が生殖巣(私たちが食べる部分)がもっとも発達しているタイミングだということです。つまり、産卵に向けて栄養を蓄えている時期が旬であり、産卵後は身が痩せてしまいます。ウニ漁の解禁時期は各地域で異なりますが、おおむね産卵直前の生殖巣が充実した時期に合わせて設定されています。

エゾバフンウニ・ムラサキウニとここが違う|3種を徹底比較

サイズが倍以上?エゾバフンウニとの見分けポイント

「バフンウニ」と「エゾバフンウニ」は名前が似ていますが、別の種です。もっともわかりやすい違いはサイズで、バフンウニの殻径が約4cmなのに対し、エゾバフンウニは殻径約10cmと倍以上あります。生息域も異なり、バフンウニが北海道南部から九州にかけて広く分布するのに対し、エゾバフンウニは北海道を中心とした寒冷な海域に多く生息しています。身の色はどちらも濃いオレンジ色ですが、エゾバフンウニのほうがやや大粒で、一粒あたりの食べ応えがあります。北海道のウニ丼に使われるのは、ほとんどがエゾバフンウニです。

ムラサキウニは淡泊派──味の方向性がまったく違う

ムラサキウニはバフンウニとは味の系統が異なります。ムラサキウニの身はクリーム色から淡い黄色で、味わいは上品で淡泊な甘みが特徴です。一方、バフンウニは濃いオレンジ色で、コクと甘みがぎゅっと凝縮された濃厚な味わいです。見た目の違いも明確で、ムラサキウニは殻径5〜6cmでバフンウニよりやや大きく、棘が長くて黒紫色をしています。旬の時期もずれていて、ムラサキウニは6〜9月の夏が旬、バフンウニは3〜4月の春が旬です。好みが分かれるところですが、「濃い味が好きならバフンウニ、上品な甘さが好きならムラサキウニ」と覚えておくとよいでしょう。

比較項目 バフンウニ エゾバフンウニ ムラサキウニ
殻径 約4cm 約10cm 5〜6cm
身の色 濃いオレンジ 濃いオレンジ クリーム〜黄色
味の特徴 濃厚・甘みが強い 甘味が強く濃厚 淡泊・上品な甘み
3〜4月 7〜8月 6〜9月
主な産地 日本海沿岸(九州〜東北) 北海道 本州〜九州の太平洋側

回転寿司の「ウニ」はどれ?──流通名と種類の関係

回転寿司やスーパーで見かける「ウニ」は、実は産地や種類が明記されていないことが多いです。一般的に、手頃な価格帯のウニはチリ産やカナダ産のムラサキウニ系の輸入品が中心で、国産のバフンウニやエゾバフンウニは高級寿司店や産地直送の通販で扱われることがほとんどです。見分けるコツは身の色で、濃いオレンジ色ならバフンウニ系、クリーム色〜黄色ならムラサキウニ系の可能性が高いです。ただし、ミョウバン処理で発色が変わっていることもあるため、パッケージの産地表示を確認するのが確実です。

意外と知られていない「キタムラサキウニ」の存在

実は、日本で流通するウニにはもう一つ重要な種類があります。それが「キタムラサキウニ」です。ムラサキウニの近縁種で、殻径が10cm前後と大型、東北から北海道にかけて多く漁獲されます。身の色は淡い黄色で、ムラサキウニより甘みが強い傾向があります。北海道のウニ丼では、エゾバフンウニとキタムラサキウニの2色盛りが名物になっている地域もあります。バフンウニ・エゾバフンウニ・ムラサキウニ・キタムラサキウニの4種を覚えておけば、日本で食べられるウニの大半をカバーできます。

バフンウニの旬と産地|春の日本海沿岸が狙い目

旬は3〜4月の春──産卵直前がもっとも美味しい

バフンウニの旬は3〜4月頃の春です。1〜4月の産卵期に向けて生殖巣に栄養を蓄える時期で、産卵直前がもっとも身が充実し、甘みとコクが強くなります。産卵後は身が痩せて水っぽくなるため、食べるなら産卵前を狙いたいところです。ただし、地域によって旬のタイミングにはズレがあり、九州では3月頃に旬を迎え、日本海沿岸を北上しながら旬の産地が移り変わっていきます。福井県では7月下旬〜8月下旬に旬を迎える地域もあるため、「バフンウニ=春」と一括りにはできません。

🗓 バフンウニ 旬カレンダー(さかなのさ調べ)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

◎=最旬(もっとも美味しい時期) ○=美味しい △=出回るが旬ではない ※地域によって旬の時期が異なります(福井県は7〜8月が旬)

九州から北上する「旬前線」──産地ごとの食べごろマップ

バフンウニの旬は、桜前線のように南から北へ移動します。もっとも早いのが九州北部で、長崎県や佐賀県では2〜3月頃から身が充実し始めます。続いて山口県・島根県の日本海側が3〜4月、福井県・石川県の北陸地方が4〜5月、そして福井県の一部では7月下旬〜8月下旬まで旬が続きます。旅行の計画を立てるとき、この「旬前線」を意識するとバフンウニの食べごろの産地を訪れることができます。同じバフンウニでも産地の海藻環境によって味が微妙に異なるので、食べ比べてみるのも面白いです。

日本海側に多い理由──岩礁と海藻の豊かさがカギ

バフンウニが日本海沿岸に多いのは、生息に適した環境が揃っているからです。日本海側は岩礁海岸が多く、バフンウニが隠れるためのくぼみや割れ目が豊富です。加えて、対馬暖流がもたらす栄養豊かな海水のおかげで、昆布やワカメなどの海藻が繁茂しています。エサとなる海藻が豊かな場所ほどバフンウニの個体数も多くなる傾向があります。逆に、太平洋側の砂浜が続く海岸ではバフンウニはほとんど見られません。磯遊びでバフンウニを見つけたいなら、日本海側の岩場を探してみてください。

バフンウニのオレンジ色のヒミツ|甘さの正体はアミノ酸

濃いオレンジ色の正体は「エキノネン」というカロテノイド色素

バフンウニの身が濃いオレンジ色をしているのは、「エキノネン」というカロテノイド系の色素によるものです。カロテノイドはニンジンやカボチャにも含まれる天然の色素で、ウニの場合はエサとして食べた海藻に含まれるカロテノイドを体内で変換して蓄積しています。良質な海藻を豊富に食べた個体ほどオレンジ色が濃くなる傾向があり、色の濃さは「よく食べて栄養を蓄えている」サインでもあります。スーパーでウニを選ぶとき、身の色が鮮やかで均一なオレンジ色のものは鮮度が良く、味も期待できます。

甘みの正体はアラニンとグリシン──昆布を食べて旨みも蓄積

バフンウニの濃厚な甘みは、アラニンやグリシンといったアミノ酸に由来しています。これらのアミノ酸は、人間の舌で「甘い」と感じる成分です。さらに、昆布やワカメを食べて育つバフンウニは、昆布の旨み成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸も豊富に蓄積しています。つまり「甘み+旨み」のダブルパンチが口の中で広がるのがバフンウニの味の特徴です。養殖ウニの研究では、エサとなる昆布の品質を変えることで身の味が変わることが確認されており、「ウニの味はエサで決まる」といっても過言ではありません。

⚠️ ミョウバン処理のウニに注意

木箱に入ったウニの多くは、身が溶けるのを防ぎ発色を良くするためにミョウバンが使われています。ミョウバン処理されたウニは形が崩れにくい反面、苦みの原因になることがあります。「ウニが苦い」と感じた経験がある方は、ミョウバンの影響だった可能性が高いです。ミョウバン不使用の「塩水ウニ」は柔らかく崩れやすいですが、本来の甘みと旨みを味わえます。

食べて「苦い」と感じたら──鮮度とミョウバンの見分け方

ウニを食べて苦みを感じる原因は主に2つあります。1つ目はミョウバン処理による苦みです。木箱入りのウニはミョウバンで形を保っていることが多く、ミョウバンの量が多いと金属的な苦みが出ます。2つ目は鮮度低下による苦みで、時間が経つとアミノ酸が分解されて苦味成分に変わります。見分けるコツは、パッケージに「塩水パック」と書いてあるものを選ぶことです。塩水パックのウニはミョウバン不使用で、透き通る甘みと旨みを楽しめます。購入後はできるだけ早く食べるのが鉄則で、冷蔵保存でも2日以内が目安です。

栄養面でも優秀──ビタミンAとタンパク質が豊富

バフンウニは味だけでなく栄養面でも優れた食材です。ウニ100gあたりのエネルギーは約120kcal、タンパク質は約16gと高タンパクです。脂質は約4.8gと控えめで、ビタミンA、ビタミンB群、葉酸、亜鉛、鉄分など微量栄養素も豊富に含まれています。特にビタミンAはオレンジ色の色素であるカロテノイドに由来するもので、バフンウニの身が濃いオレンジ色であるほどビタミンAの含有量も多い傾向があります。ただし、コレステロールも含まれているため、一度に大量に食べるのではなく、お寿司2〜3貫程度を楽しむのが理想的です。

バフンウニをもっと美味しく食べる方法|生・蒸し・焼きの使い分け

まずは生で──殻つきウニの開け方と食べるタイミング

バフンウニの濃厚な甘みをもっともダイレクトに味わえるのは、やはり生食です。殻つきのバフンウニを手に入れたら、まず棘のない口側(平らなほう)を上に向けます。キッチンバサミの先を口の穴に差し込み、殻を少しずつ割っていきます。中の黒い内臓(消化管)を流水でそっと洗い流すと、オレンジ色の生殖巣が5房見えます。これをスプーンでそっとすくい取れば完成です。食べるタイミングは殻を割ってからなるべく早くが鉄則で、空気に触れると酸化して風味が落ちます。わさびを少量つけて食べると、甘みがさらに際立ちます。

蒸しウニで味が濃くなる──加熱でグルタミン酸が引き立つ理由

生のバフンウニを蒸すと、味がぐっと濃くなります。蒸すことで水分が適度に抜け、アミノ酸や旨み成分が凝縮されるためです。作り方は、殻ごと蒸し器に入れて中火で8〜10分蒸すだけ。殻を割ると、生のときよりも身がしっかりとした食感になり、甘みと旨みが凝縮された濃厚な味わいを楽しめます。冷蔵庫で冷やしてから食べるのもおすすめで、冷たい蒸しウニはお酒のつまみに合います。生のウニが苦手な方や、独特のとろりとした食感が得意でない方は、蒸しウニから試してみるとよいでしょう。

焼きウニは香ばしさがプラス──アルミホイルで簡単調理

焼きウニは、生や蒸しとはまた違う香ばしい風味が加わります。もっとも手軽な方法は、アルミホイルにウニの身を並べ、少量の醤油を垂らしてトースターで3〜4分焼くだけです。表面がほんのりきつね色になったら食べごろです。加熱しすぎるとパサつくので、半生くらいで止めるのがポイントです。産地の漁港では、殻つきのまま炭火で焼く「焼きウニ」が名物になっていることもあります。生のウニとは異なる「焼いた海の香り」が加わり、ご飯にもパンにも合う一品になります。

📌 バフンウニの食べ方別おすすめポイント

生食:甘みとトロリとした食感をダイレクトに味わいたいとき。わさび醤油が定番
蒸しウニ:味を濃くしたいとき。冷やしてお酒のつまみにも◎
焼きウニ:香ばしさをプラスしたいとき。半生で止めるのがコツ
ウニ丼:贅沢に味わうなら温かいご飯に塩水ウニをたっぷりのせて

ウニパスタにするなら塩水ウニ一択──ミョウバンの苦みが台無しにする

ウニを使ったパスタは人気の料理ですが、ミョウバン処理されたウニを使うと加熱時に苦みが強く出てしまい、せっかくのクリーミーなソースが台無しになります。ウニパスタには必ず塩水パックのウニか、殻つきの生ウニを使ってください。作り方のコツは、ウニをソースに加えるタイミングです。パスタを茹でている間に生クリームと少量のバターを弱火で温め、火を止めてからウニを加えて余熱で溶かします。ウニを直接強火にかけると固まってしまうため、火を止めた後に和えるのが失敗しないポイントです。

バフンウニにまつわる雑学5選|知ると自慢できるウニの話

ウニの寿命は意外と長い──バフンウニは7〜8年生きる

バフンウニの寿命は7〜8年程度とされています。小さな体のわりに長生きで、海外のウニの仲間には100年以上生きる種もいます(アメリカオオムラサキウニなど)。成長は遅く、食用サイズの殻径4cmに達するまでに3〜4年かかります。つまり、私たちが食べているバフンウニは、少なくとも3年以上かけてゆっくり成長した個体ということになります。この成長の遅さが、乱獲に対する脆弱性にもつながっており、各地で漁獲量の制限やウニ漁の解禁期間が細かく設定されています。

ウニは「棘皮動物」──ヒトデやナマコの仲間だった

ウニは「棘皮動物(きょくひどうぶつ)」というグループに分類されます。同じ棘皮動物にはヒトデ、ナマコ、ウミユリなどがいます。共通の特徴は体が五放射相称(5つのパーツが放射状に並ぶ構造)であること、海水を体内に取り込む「水管系」を持つこと、そして管足で移動することです。バフンウニの殻を割ると生殖巣が5房に分かれていますが、これも五放射相称の表れです。ちなみに、ウニもヒトデも幼生の段階では左右対称で、成長の過程で五放射相称に変わるという面白い発生過程をたどります。

「磯焼け」の原因にも──増えすぎたウニが海藻を食い尽くす問題

近年、日本各地で「磯焼け」が深刻な問題になっています。磯焼けとは、沿岸の海藻が減少・消失する現象で、原因の一つがウニの食害です。バフンウニを含むウニ類が海藻を食べ尽くすと、岩場がむき出しの「白い砂漠」状態になり、魚やアワビなど他の海洋生物の生息環境も失われます。この問題に対して、各地の漁協では増えすぎたウニを間引いて海藻の回復を促す「ウニ駆除」活動が行われています。駆除されたウニを養殖カゴに移して昆布を与え、身を太らせてから出荷する取り組みも注目を集めています。

Q. バフンウニは自分で獲って食べてもいい?
A. ウニは各都道府県の漁業調整規則で採捕が制限されていることがほとんどです。漁業権が設定された区域で無許可で採ると密漁となり、罰則の対象になります。磯遊びで見つけても持ち帰らず、観察だけにとどめてください。

バフンウニの学名「pulcherrimus」は「最も美しい」という意味

バフンウニの学名は「Hemicentrotus pulcherrimus」です。属名の「Hemicentrotus」は「半分の棘」を意味し、短い棘を持つ特徴を表しています。種小名の「pulcherrimus」はラテン語で「最も美しい」という意味の最上級形です。和名が「馬糞」なのに学名が「最も美しい」──この落差が生物学者の間でもしばしば話題になります。命名したのはドイツの動物学者で、バフンウニの殻の模様や構造の精緻さに美を見出したとされています。殻をよく観察すると、棘の配列が規則正しい幾何学模様を描いており、確かに「美しい」と呼びたくなる造形です。

まとめ|バフンウニの由来を知れば、ウニの世界がもっと面白くなる

バフンウニの名前の由来は、短い棘に覆われた暗緑色の殻が「馬の糞」に似ていたことでした。名前だけ聞くと食欲が失せそうですが、漢字の「雲丹」が「赤いものが集まる」という意味であること、学名が「最も美しい」を意味する「pulcherrimus」であることを知ると、この小さなウニへの見方が変わってくるのではないでしょうか。

バフンウニの身が持つ濃いオレンジ色はエキノネンというカロテノイド色素によるもので、濃厚な甘みはアラニンやグリシンといったアミノ酸に由来しています。昆布を食べて育つことでグルタミン酸やアスパラギン酸も蓄積され、「甘み+旨み」の奥深い味わいが生まれます。エゾバフンウニやムラサキウニとの違いを知っておけば、寿司屋やスーパーでウニを選ぶ目が養われます。

この記事のポイントを整理します。

  • バフンウニの名前は、殻径約4cmの扁平な形と暗緑色の見た目が馬糞に似ていることに由来する
  • 漢字「雲丹」は「赤いものが集まる」という意味で、可食部の見た目を表している
  • 旬は3〜4月の春が中心だが、福井県では7月下旬〜8月下旬に旬を迎える地域もある
  • エゾバフンウニ(殻径約10cm)より小ぶりだが、味の濃厚さでは引けを取らない
  • ムラサキウニは淡泊な甘み、バフンウニは濃厚な甘み──好みに合わせて選ぶとよい
  • ミョウバン処理のウニは苦みが出やすい。本来の味を楽しむなら塩水パックを選ぶ
  • 生食・蒸し・焼きで味の印象が変わるので、食べ比べがおすすめ

まずはスーパーの鮮魚コーナーで「塩水ウニ」を探してみてください。パッケージに「バフンウニ」と書かれていたら、この記事で知った由来を思い出しながら味わってみると、いつものウニがちょっと特別に感じられるはずです。

※最新の漁獲規制や旬の時期は地域によって異なります。詳細は各産地の漁協や水産関連の公式情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

魚の食べ方・さばき方・種類の違いから雑学まで、魚にまつわるすべての疑問に答える図鑑メディアです。スーパーの鮮魚コーナーで「この魚どうやって食べるの?」と迷ったとき、釣った魚を持ち帰って「さばき方がわからない」と困ったとき、お役に立てれば幸いです。運営は株式会社てまひま(名古屋市)。

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